ブラジル保健省が5日、黄熱病の予防接種について、世界保健機構が14年に採用した、1回のみの接種でOKとの基準に従う方針を明らかにしたと6日付現地紙が報じた。
ブラジルは今、史上最悪の黄熱病流行の最中で、死者190人を含む586人の感染を確認。今も感染の有無を確認中の症例は450件、追跡調査中の死亡例も49件ある。
黄熱病の流行拡大を防ぐため、保健省は今年、当初から配布予定だった410万人分の予防接種ワクチンに加え、2160万人分のワクチンを追加配布した。
流行の発端となったミナス・ジェライス州では、3月14日以降、新たな症例は報告されておらず、一息ついた感があるが、現在はチクングニア熱患者が急増中だ。3月30日付の報道によると、感染が疑われる患者は3月下旬の1週間で1千人以上増え、126市4852人に至った。同州では14年に初のチクングニア熱患者を確認。以来、死者は出ていなかったが、今年は2人が同病で死亡した可能性があり、死因を確認中だ。
一方、リオ州では、シウヴァ・ジャルジン市で3月19日に予防接種を受けた後、ニテロイ市の病院に入院、30日に死亡した69歳男性が黄熱病であった事が4月3日に判明した。シウヴァ・ジャルジン市は死者1人を含む7人の感染が確認されたカジミロ・デ・アブレウ市の隣にある。
同州の黄熱病感染者はこれで、死者2人を含む10人となった。また、ドゥッケ・デ・カシアスでも黄熱病が疑われる患者の報告が出ている。
州都のサルバドール市でも黄熱病で死んだサルが確認されたバイア州では、同病で死んだサル発見数が25に増え、予防接種に列をなす住民が増えた。同州では、ミナス州で働いていたが、1月に同州で死亡した男性の黄熱病感染を調査中だ。同州で黄熱病に感染した可能性ありとされた症例は12市で20件あるが、内12件は感染していなかった。
なお、保健省は現在、市街地に感染が広がった場合の予防策として、ワクチンを5倍に希釈して接種する事も検討中だ。この場合、ワクチンの有効期間は1年間となる。