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アルゼンチンゼネスト=インフレ苦に労組が蜂起=ブラジル各都市とを結ぶ空の便にも影響

マクリ大統領(中央)(Casa Rosada)

マクリ大統領(中央)(Casa Rosada)

 アルゼンチンでは6日、マウリシオ・マクリ大統領就任後16カ月目にして初のゼネストが発生したと、6日付ブラジル国内の各紙サイトが報じた。
 このゼネストは、同国の2大主要労組が、16年は40%だったインフレ率と同等の賃上げ、失業対策を求めて行った。
 政府は今年17%と定めているインフレ目標率以上の賃上げは難しいとしながらも、現政権が実施した経済政策が国外投資を引き入れれば、不況脱出が可能と強調した。
 労働総同盟(CGT)とアルゼンチン労働者センター(CTA)は公共交通機関の運行を停止。活動家や左翼運動家たちは主要道路の封鎖(ピケ)も行った。
 航空便も約800便がキャンセルされ、首都ブエノスアイレスと、ブラジルのリオ、サンパウロ、ポルトアレグレを結ぶ便は朝から大きな影響を受けた。鉄道、地下鉄、バスも、6日は終日運行されない見込みだ。銀行や学校なども閉鎖されている。
 アルゼンチンでは3月に労組のデモ、教職員のストや数百に及ぶ中小規模のスト、ピケなどが発生した。
 4月1日には逆に、インターネットで組織された、現政権を支持するデモも発生し、「キルチネル(前大統領)はいらない」「(我々は危機から脱出)できるさ」との掛け声が上がった。
 自らを支持するデモが発生した2日後、マクリ大統領は「国内の労組、企業、政治家、司法にまではびこるマフィアには屈しない」と語った。
 ブラジルのニュースサイトは、経済学者マルセロ・エリソンド氏の「アルゼンチンは、15年末まで12年続いたネストル&クリスティーナ・キルチネル支持の左派と、マクリ現大統領支持の中道右派に分裂している」との言葉を紹介した。
 今回のゼネストは、5~7日にブエノスアイレスで開催中のラ米世界経済フォーラムにぶつける形で行われた。