2014年の訪日から3年目の快挙――サンパウロ市出身で日系三世の女性歌手、島田デボラ・エンジュさんが日本でソロデュー。レコード会社よしもとアール・アンド・シーから「エンジュ」として歌謡曲「いとおしい」(作詞・作曲/中村泰士、編曲/かせだあきひろ)を、本日7日に日本で発売した。日系の歌姫について、ブラジルでプロデュースを約5年担当していた鎌倉ゆうこさん(三世)に聞いた。
エンジュさんはサンパウロ市ジャバクアラ区出身。祖母の影響で7歳から演歌を歌い、ダンスや和太鼓、三味線もたしなむ。芸能プロデューサーの鎌倉さんの目に留まったのは2009年に行われたドリームコンサートのオーディション。「綺麗な子で歌も上手。すぐに合格し、その後のプロデュースも担当した」と語った。
12年に開催された同コンサートでは西城秀樹とも共演し、翌13年の日本祭りではミス日系コンテストと併催されたミス日系サンパウロのコンテストで勝者となった。
13年12月にブラジル日本商工会議所の忘年会で歌声を披露し、訪日を宣言。14年2月、サンパウロ市内のマリスタ・アルキジオセザーノ私立高校で訪日記念コンサート「デボラINコンサート―がんばります!」を行った。
訪日後の15年、石原裕次郎さん生誕80周年の記念曲『きょうよりあしたが』のリメイク企画に抜擢され、作曲家の中村さんプロデュースのもと、小島綾香さんとの2人組みユニット「歌謡女子 じゅくぜん果実」として一端デビューしていた。
今回のソロCD発売に関し、鎌倉さんは「本当に驚いた」と嬉しそうに話し、「私がプロデュースした歌手の中で彼女が最初に成功した。日本に行って3年という短い期間でのメジャーデビューを果たした彼女の才能に期待大」と微笑んだ。
また、エンジュさんの今後の活動について「彼女から日伯の文化の違いについて相談を受けることもある。頭が良くてきれいで、色んなことがすぐにできる彼女なら成功する」と太鼓判を捺した。
発売したCDは通販サイト「Amazon」でも購入可能。本人公式サイト(enju-web.net/index.html)も開設されている。