マット・グロッソ・ド・スル州州都のカンポ・グランデ市で6日、食品大手のJBSの工場でアンモニアガスが漏れ、従業員ら400人が気分が悪くなり、12人は病院に運ばれる騒ぎが起きた。
事故が起きたのは6日昼頃で、強い臭気を感じて慌てて工場外に出たという従業員の中には、約400メートル離れた国道60号線沿いまで逃げた人もいた。
ガスを吸って気分が悪くなったりした従業員は約400人とされ、通報を受けた消防の救急車10台と移動式緊急医療サービス(SAMU)の救急車6台が、工場の敷地内や国道沿いで応急処置を施した上、呼吸困難などを起こした重症者12人を病院に搬送した。12人の内4人は妊婦だった。工場の前を通りかかった車で病院に運ばれた従業員や、自力で医療機関を探した従業員もいたという。
アンモニアガスは冷凍庫などの冷媒で、毒性が高い。労務検察と環境警察は7日朝、現場検証を行い、環境への影響や、工場内の冷却システムやガス漏れが起きた理由、非常時の警告システムに不備がなかったかなどを調べている。JBSのような工場では、従業員の安全確保のため、ガス漏れを感知して警告する装置の設置などが義務付けられている。
カンポ・グランデ工場は事故の後、操業を停止し、同日午後、仕事に入る予定だった従業員は全員帰宅させた。同工場の従業員数は約1400人で、ブラジル国内でも有数の規模(ブラジル中西部では最大)だ。
労務検察のワラセ・パシェコ氏は、工場の設計図や生産プロセス、事故発生時の安全対策などを調べるのには時間を要すが、事故の原因は数日中に解明できるとの見通しを明らかにした。
なお、マット・グロッソ・ド・スル州バタグアス市(州都から322キロ)のマルフリギ社の食肉加工工場では、昨年10月と今年2月に、アンモニアガスが漏れ、29人が中毒症状を起こす事故が起きている。(7日付G1サイトより)
タグ:カンポ・グランデ