連邦警察は6日朝、ブラジル水上競技連盟(CBDA)に強化費用として渡された資金、総額4千万レアルが不正に流用されていた疑いで、リオ市とサンパウロ市で「アグアス・クララス(「澄んだ水」の意)作戦」を発動したと、6、7日付現地紙、サイトが報じた。
同作戦では4通の予備逮捕令状、2通の強制出頭令状、16通の家宅捜索令状が出された。
元CBDA会長のコアラシー・ヌネス氏と連盟幹部2人の計3人が逮捕されたが、もう1人の幹部は所在がつかめず、逃亡状態とみなされた。
ヌネス氏は1988年から今年3月まで、CBDAの会長を務めた。ブラジル国内各種スポーツ連盟会長の中で、ヌネス氏ほど長く会長の座に君臨した人物はいない。
連警は「今回の捜査は選手、元選手、代理人からの告発がもとで始まった」とし、「本来スポーツの振興、強化に使われるべき公金が、横領された証拠を掴んでいる」と書面で発表した。
不正は航空券や用具の購入、宿泊費、選手への褒賞金支払いの際に発生したという。CBDA幹部らは、これらの支払いを知人所有の旅行会社を通して行い、公金を横領していた疑いがもたれている。旅行会社はダミーと見られ、水増し請求などが判明している。
「偽会社は10年以上もCBDAと取引しており、2400万レアルを受け取っていた」と同件の捜査を担当しているロドリゴ・コスタ警部が語っている。
ヌネス氏退任後のCBDAは、リオ連邦地裁の判事が指名した弁護士のグスタヴォ・リックス氏が運営を代行している。
リオ五輪のオープンウォーター10キロ部門で銅メダルに輝いた日系ブラジル人スイマーのポリアナ・オキモトは7日、写真投稿共有サイトに「事件に心を痛めている。グスタヴォ・リックス臨時会長に協力して、一刻も早く民主的に会長選挙を行い、CBDAをもう一度盛り立てていく」と投稿した。