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リオ・グランデ・ド・ノルテ州=2日間で30人が殺される=刑務所での大量殺戮凌ぐ週末

 ブラジル北東部のリオ・グランデ・ド・ノルテ州では、8~9日に30人が殺され、1月14~15日にアルカスス刑務所で起きた囚人26人の大量殺戮を凌ぐ、暴力的な週末となった。
 週末の殺人被害者は州都ナタルの12人を筆頭に、モソロ4人、セアラ‐ミリン3人と続く。パマミリン、アポディ、バラウーナ、カイコー、カラウバス、ジャピ、マカイバ、マルチンス、サンタクルースの各市でも各1人が殺された。
 ナタル市での犠牲者の1人は、9日未明にリオ・グランデ・ド・ノルテ連邦大学の学長を空港まで連れて行こうとしたが、途中で銃弾4発を浴びせられて死んだ、同大学運転手のジョゼ・ウイルソン・デ・ソウザ氏(59)だ。
 ソウザ氏が運転していた車は黒塗りで、これという特徴のない車だったが、一部では警察車両と混同されたのではないかとの憶測も流れている。一方、警察では同件は強盗未遂に伴う殺人事件と見なしている。
 同州では、1月~4月10日の殺人事件の犠牲者は、15年の518人より30・5%増え、676人となった。今年は1日平均6・8人が殺人事件の犠牲者となっている。特に4月は、昨年の40人に対して74人と85%も増えており、急増ぶりが目に余る。
 同州保安局は10日の内に犯罪撲滅計画を発表する意向を明らかにしたが、治安問題の専門家で、意図的致死暴力観測団(OBVIO)の理事の一人でもあるイヴェニオ・エルメス氏は「同州警察の努力は目に見えるが、有効な治安対策を打ち出すのが遅れている事が、隙を伺うような形での殺人事件増加を招いている」と述べた。また、「殺人犯が処罰されない事が殺人事件の増加に直結している。現行の治安対策を見直さない限り、州民や投資家、観光客は不安を拭い切れず、経済指数なども深刻な落ち込みを見せるだろう。何よりも大きな、貴い命が失われる事には言及するまでもないだろうが」と語った。(10日付G1サイトより)