【既報関連】連邦政府は7日、2018年度の中央政府会計(国庫、社会保障費、中央銀行)の赤字見通しが、これまでに想定していた790億レアルより500億レアル増大して、1290億レアルになるとの見方を示したと、7、8日付現地紙・サイトが報じた。
「18年は1290億レアルの赤字の見通し」との見解は、エンリケ・メイレレス財相、ジオゴ・オリヴェイラ企画相が共同で発表した。
オリヴェイラ企画相は「多くの企業は18年も17年までに蓄積された負債に苦しんでおり、それが税収に影響する。18年には企業業績も目に見えて回復してくるが、すぐには税収に反映されない」と語り、「不況脱出から企業業績回復を経て税収増へ」という、政府側が想い描いていた回復見込みの実現が遅れていることを赤字増大の理由に挙げた。
3月29日に政府は、今年の赤字を1390レアル以内に収めるために、421億レアルに上る支出カットと161億レアル規模の歳入拡大措置を取ると発表した。歳入拡大措置の中には、50余りの業種に付与されていた社会保障費納付金軽減策廃止が含まれていた。
オリヴェイラ企画相は、18年赤字見通しを当初の見通しから500億レアルも増大させた理由を、現実路線をとったからと説明した。
政府経済政策チームによる7日の発表は、議会への予算ガイドライン提出に先がけて行われた。法律により、翌年度の基礎的収支目標を定めた予算ガイドラインは、毎年4月15日までに議会に提出されなければならない。
経済政策チームは、18年の国内総生産の成長率予測は2・5%に据え置いた。この予測は、金融市場の見方にも沿っている。
メイレレス財相は「現在の景気動向の指数は今後の成長を示しており、18年の赤字抑制目標はこれで充分に達成可能になった」とした。
しかしながら、政府が当初目指していた、19年度の中央会計の基礎的収支をゼロにするとの目標達成は1年遅れる見込みだ。
18年の見通しをかなり慎重な数字にしたことで、中央会計の19年見通しは650億レアルの赤字となった。基礎的収支がプラスになるのは2020年からで、政府では同年の黒字額を100億レアルと見積もっている。これらの金額には公社、州、市などの基礎的収支は含まれていない。
来年の最低賃金は979レアルと試算され、社会保障費の赤字はさらに拡大する見込みだが、今回発表された数字は増税を前提にしたものではないという。
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