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ブラジル北部・北東部=雨で幹線道路が泥だらけに=農家が道路整備にカンパ行う

 ブラジル北部のトカンチンス州や、北東部のマラニョン州、ピアウイ州、バイーア州に広がる高原地帯(セラード)は、幹線道路が舗装されておらず、雨が降るとぬかるみだらけ。大きな穴も空き、トラック輸送に支障をきたしていると9日付現地紙が報じた。
 政府による舗装が一向に進まない事に業を煮やした農家は毎年、道路整備のためにカンパを募り、修繕費用を捻出している。寄付は大豆の大袋によって行われ、寄付の個数はそれぞれの農地の広さに応じて変動する。
 「政府の動きを待っていても何もしてくれない」と語るマリウド・ミンゴリさんは、バイーア州道458号線整地のために、12万レアル相当の大豆を寄付した。
 「寄付してでも道路整備をしなくては、肥料も届かず、農産物を搬送することもできない」と、ピアウイ州大豆生産業者組合幹部のラファエル・マッシオさんも語る。
 バイーア州では、道路修復用の機器用のガソリンの寄付も集めている。
 農家による寄付は徐々に、公的機関と協力体制をとり始めた。バイーア州では4年前、同州での農牧畜業発展のための基金(Prodeagro)が設立された。同基金では、農家からは大豆の寄付、政府からは大豆やとうもろこしの加工業者に対する税額控除を受け付けている。
 生産者たちは集った資金で整地用機器を買い、整地を行う人も雇用した。年間を通じて職員18人と、整地用機器10台が稼動している。
 連邦政府は予算不足を道路整備の遅れの理由に挙げているが、農家との官民合同プロジェクト(PPP)の可能性は開かれているという。農業生産者たちも来週のうちに会合を持ち、PPP実施のための意見統一を図る意向だ。