【既報関連】ベネズエラの首都カラカスで10日、過去10日間で5度目の反マドゥーロ政権デモが発生し、警察に鎮圧されたと、11日付ブラジル国内紙が報じた。
デモを主催した野党勢力によると、警官との衝突で57人の負傷者が出たという。デモの主要な要求は、早期の大統領選実施日時の設定だった。
デモが起きていた時間帯にブラジリアを訪れていた米州機構事務局長のルイス・アルマグロ氏は、大統領選を行い、合法的に新政府を作ること以外にベネズエラ安定への道はないと語った。
マドゥーロ大統領は先週、来年は統一地方選を行うとし、選挙が楽しみだとまで語ったが、同年の大統領選実施に関しては明言を避けている。
野党政党連合の民主統一会議(MUD)は、「デモ隊は催涙弾を使った治安部隊によって制圧された」とインターネットに投稿し、政府側を批判した。デモ隊はカラカス中心部の最高裁を目指して行進していたが、催涙弾で散り散りになった。ガスマスクを装備していた一部の集団はそのまま行進を続け、警察と衝突した。デモ隊の一部は火炎瓶も使用した。
ベネズエラでは、3月末に大統領派判事が多数を占める最高裁が、同国議会から立法権を剥奪する決定を下したことに野党、国民が猛反発した。
国際世論の非難もあって、最高裁はこの決定を取り消したが、同国政府は7日に野党の指導者でミランダ州知事のエンリケ・カプリレス氏に今後15年間の政治活動を禁じるなど、混迷は深まっている。
カプリレス氏は10日、「今起こっている事はデモの武力鎮圧だ。政府は自らの正当性を貶めている。クーデターを起こしているのは我々ではない。政府の『自己クーデター』だ」と語った。
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