最高裁での捜査の対象となるラヴァ・ジャットの疑惑の政治家ら98人の名前が明らかになり、ブラジルに激震が走った翌日の12日、今度はオデブレヒト社の幹部たちが報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を行う映像が公表されはじめ、様々な疑惑が公に語られた。13日付現地紙が報じている。
12日にテレビやネットで流れたデラソンの映像は、マルセロ・オデブレヒト元社長や経営審議会議長のエミリオ・オデブレヒト氏、元渉外担当理事でブラスケン副社長も務めたアレッシャンドリーノ・デ・アレンカール氏、元オデブレヒト建設技術社副社長のベネジクト・ジュニオール氏、元オデブレヒト工業技術社長のマルシオ・ファリア氏などによるものだ。
マルセロ被告は、ルーラ元大統領が大統領任期を終える直前の2010年末に、ルーラ氏への賄賂分として4千万レアルを取り分けておいたと明かした。この額は、ルーラ政権時代の財相で、当時は労働者党(PT)内で同社との金銭授受の窓口役になっていたアントニオ・パロッシ被告との間で決められたという。マルセロ氏らはルーラ氏は今後もPT内で影響力を行使すると考え、要請があり次第動かせる金を用意したという。
また、同被告は、ジウマ前大統領絡みの金に関しても、2013年に当時財相だったギド・マンテガ氏が、翌年の大統領選のキャンペーン費用として1億レアルを要求したことも明かした。
また、マルセロ被告の父親で、ルーラ氏の大の親友だったことで知られるエミリオ氏は、サンパウロ州アチバイアにある農園内のルーラ氏用の高級別荘改築費用に70万レアルを要したと明かしている。
また、マルシオ・ファリア氏は、テメル大統領がジウマ氏の副候補だった2010年に、別の同社幹部と共に民主運動党(PMDB)議員らも参加した会議に招かれ、同党への選挙献金として4千万ドルを要請されたと語った。この額は、同社が当時ペトロブラスと交わした事業契約の5%に相当したという。
なお、テメル大統領に関しては大統領特権が適用されるため、在任中は容疑が浮上しても裁くことはできない。
ベネジクト・ジュニオール氏は、民主社会党(PSDB)党首で14年大統領選候補だったアエシオ・ネーヴェス氏に関して、アエシオ氏がミナス・ジェライス州知事時代の2007年に、入札前にも関わらず、州庁舎建設工事はオデブレヒトに任せると語ったことや、同工事関連で520万レアルの賄賂を払ったことを明らかにした。
また、ベネジクト氏と別の幹部は、2010年選挙でアエシオ氏に約550万レアルを払ったと供述。マルセロ被告は、2014年選挙の裏献金で「10カ月にわたり50万レアルずつ払った」と語っている。