最高裁の管轄で行われるラヴァ・ジャット作戦関係の捜査76件(対象は98人)の内、40件は、選挙時の裏献金と共に、政治家の側から賄賂を求めてきた贈収賄に絡むものであったと、14、17日付エスタード紙が報じている。
17日付エスタード紙によると、昨年12月に行われたオデブレヒト社関係者78人の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づき、最高裁の報告官、エジソン・ファキン判事が許可を出した捜査では、同社と良好な関係を維持するために政治家が選挙の際に賄賂を受け取った上、同社の事業契約確保や、同社の利益に便宜を図るような法案通過のために賄賂を要求した例が76件中40件に上るという。
さらに、14日付同紙によると、その内の31件はオデブレヒトが直接関わった事業に関するもので、そこで動いた賄賂の額は1億9500万レアルに及ぶという。
それらの事業の地域別内訳を見ると、南東部10件、北部9件、北東部5件、中西部4件、南部3件となっている。
中でも最大のものは、5千万レアルが動いたとされるロライマ州のサントアントニオ水力発電所建設に絡んだもので、ここではロメロ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)、現在逮捕中の元下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告(PMDB)、アルリンド・キナリア下議(労働者党・PT)が捜査対象となっている。
南東部では、サンパウロ市南西部のショッピング、パルケ・ダ・シダーデ建設に絡む2700万レアルが最大で、その件では元財相のギド・マンテガ氏をはじめとしたPT関係者3人に進歩党(PP)下議1人が捜査対象となっている。
その他に目立つものとしては、レナン・カリェイロス元上院議長と息子のレナン・フィーリョ同州知事(PMDB)らが関与した疑いがある北東伯アラゴアス州のセルトン灌漑施設建設問題や、ジョゼ・セーラ上議やアロイージオ・ヌーネス外相(共に民主社会党・PSDB)が関与したとされるサンパウロ大都市圏の環状線南部区画建設疑惑、エリゼウ・パジーリャ官房長官(PMDB)や元企画、通信相のパウロ・ベルナルド被告や元下院議長のマルコ・マイア下議(PT)が関与したとされるリオ・グランデ・ド・スル州の鉄道「トレンスルブ」1号線建設疑惑などが目に付く。
また、PSDB党首のアエシオ・ネーヴェス上議は、ミナス・ジェライス州知事時代のミナス州庁舎建設と、サントアントニオ&ジラウー水力発電所建設の2件で捜査対象となっている。贈収賄罪は選挙時の裏献金疑惑より罪が重い。現在、同氏の18年大統領選出馬の雲行きがかなり怪しくなってきたといわれているのは、報奨付供述で名前が上がったことによるイメージ悪化と、汚職に関与した疑いがより濃厚になってきたためだ。
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