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《ブラジル》中銀経済活動指数=2月は1・31%上昇=算出法変更による恩恵も?=豊作予想の農牧畜業が牽引

メイレレス財相(José Cruz / Agência Brasil)

メイレレス財相(José Cruz / Agência Brasil)

 ブラジル中銀は17日、2月の中銀経済活動指数(IBC―Br)は135・42ポイントで、1月より1・31%上昇したと発表したと18日付現地紙が報じた。

 IBC―Brは、国内総生産(GDP)を先取りする指数として知られている。1月のIBC―Brは0・62%の上昇だったため、市場関係者は、2月は0・5%前後の上昇と見ていたが、この予想を上回る結果となった。

 エンリケ・メイレレス財相は同日、「今年第1四半期の経済成績に関して、かなり楽観視できるデータだ」と語った。

 今年最初の2カ月間の好意的数値は、今年の穀物生産は予想を上回る豊作で、総収量は前年比25・1%増の2億3030万トンに達するとの予想が出たことと、地理統計院(IBGE)が統計方法を変更したことに影響されている。

 IBC―Brは農牧畜業、工業、サービス業の生産高と、税収を含めた指数だが、IBGEは小売業とサービス業の成績算出方法を変更した。

 IBGEは今月始め、小売、サービス業の指標算出のサンプル対象となる企業の比重を見直し、比較対象とするベースについても、より正確性を高めるために、11年度のデータを14年のバージョンに変えた。

 「IBGEが、小売とサービス業の指数算出方式を変えた事が今回の数値にも表れている」と、投資顧問会社スルアメリカ・インベスチメント社のニュートン・ローザ主席分析員は語る。

 ローザ氏は、今年第1四半期のブラジルGDP成長率を0・2%上昇としていた同社の見通しを上方修正する見込みだ。

 ただし、今年2月のIBC―Brは前月比では上昇したものの、前年同月比では0・73%下降した。今年1、2月の累積指数も、昨年同期比では0・12%の下降だ。

 また、市場では、IBC―Br上昇にも関わらず、景気回復に対して懐疑的な見方も存在する。

 中銀が17日に発表した市場レポートフォーカスによると、今年のGDPの成長見込みは、先週までの0・41%上昇から0・4%上昇に引き下げられた。1カ月前の予想は0・48%だった。

 政府の経済スタッフによる成長見通しも、年初の1%上昇から0・5%上昇に引き下げられており、今年のGDP成長率予想はジリジリと下がっている。