ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 《ブラジル》州財政再建法案が下院を通過=変更案審議の後上院へ

《ブラジル》州財政再建法案が下院を通過=変更案審議の後上院へ

 ブラジル連邦下院は18日、国内各州の財政再建計画(RRF)に関する基本法案を承認したと、19日付現地紙が報じた。
 同法案の審議は4度延期されていたが、賛成301票、反対127票、棄権7で可決された。
 同法案は、財政非常事態宣言を行った州に、政府に対する負債返済を3年間差し止めることを認める内容になっている。しかし、そのためには州の公社民営化や職員の賃上げ凍結など、政府の定めた厳しい財政調整策に従わなくてはならない。
 16の変更案の審議は19日に行われ、その結果が下院の正式決定として上院に報告される。
 18日の下院審議を直接見守ったリオ州のルイス・フェルナンド・ペゾン知事は、「19日の変更案審議で法案が骨抜きにならないように戦いは続く」としながらも、「テメル大統領は、審議が上院に回ったら、進行を急ぐように上院議長に頼むことを約束してくれた」と明かした。
 現在、財政危機にあるのはリオ州、リオ・グランデ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州で、これら3州が特に同法案の行方に気をもんでいる。
 ロドリゴ・マイア上院議長(民主党・DEM)は18日、「これは、父親が息子に物を買い与えるような安易な解決策ではない。国が州を監視してしっかりと財政を再構成するためのものだ」と語った。
 同法案可決は、先週の〃オデブレヒト・ショック〃以降初めて、政府の意図する法案が議会を通過したという意味で、小さな勝利といえる。
 同法案採決前には、同じ下院で労働法改革を優先的に扱うことを求めた動議が否決されており、与党側議員から「これで最低限の面目を保った」との声も上がった。