ラヴァ・ジャット(LJ)作戦でのオデブレヒト社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)において、少なくとも5人がサンパウロ州アチバイアの別荘改築に言及し、LJの捜査対象となった農園は実質的にルーラ元大統領のものであることや同邸宅の偽装購入を裏付けているという。20日付エスタード紙が報じている。
アチバイアの別荘の偽装購入およびオデブレヒト社による改築代肩代わりの疑惑は、サンパウロ州グアルジャーの三層住宅の改築疑惑と並び、ルーラ氏に対する大きな疑惑となっていたが、昨年12月のオデブレヒト社のデラソンで、少なくとも5人がルーラ氏との関係などを裏付けたという。
その中のひとりが、同社元社長のマルセロ・オデブレヒト被告の父で同社経営審議会議長、ルーラ氏とは親友の間柄と伝えられているエミリオ氏だ。同氏は2010年、ルーラ氏の任期が切れる直前に大統領府に出向いてルーラ氏と会った際、アチバイア邸改築の進捗状態について「来月(11年1月)には用意できる」と報告したという。
また、ルーラ氏らへの賄賂の支払いを担当し、ルーラ氏の国外旅行にも同行したりしていた同社元渉外部のアレッシャンドリーノ・アレンカール氏によれば、アチバイア邸の改築は、ルーラ氏夫人で2月に他界した故マリーザ氏から「農園の改修工事が遅れている。終わらせるのを手伝って欲しい」「11年1月からはルーラ氏と夫婦で頻繁に訪れたい」と持ちかけられたという。
さらにアレッシャンドリーノ氏は、ルーラ氏から求められた「長年にわたるオデブレヒトへの便宜に対する見返り」として、九つのエピソードをLJ捜査官に明かしたという。その中の一つはアチバイアの改築で、ルーラ氏が大ファンであることで知られるコリンチャンスのイタケロン・スタジアム建設や、ルーラ氏の実兄のフレイ・シコ氏への毎月の生活手当も含まれていたという。
アチバイアの農園は、ルーラ氏の親友で弁護士のロベルト・テイシェイラ氏の仲介で、ルーラ氏の旧友で労働者党(PT)創設メンバーの一人でもあるジャコー・ビタル氏の息子のフェルナンド氏と、企業家のジョナス・スアスーナ氏の二人が購入したことになっている。この二人は、ルーラ氏の長男のファビオ・ルイス・ダ・シウヴァ氏(通称ルリーニャ)が経営する二つの会社の共同経営者だ。テイシェイラ氏はルーラ氏のアパート購入なども扱っている。
また、同社の土木技師エミール・ジニス・コスタ・ジュニオル氏は、オデブレヒト社がアチバイア邸改築に関与しているのを隠すため、偽の契約書を作ったりしたことも明らかにした。同氏は、アチバイアでの経費として同社が用意した現金50万レアルを保管するための金庫も買っている。
このほかにも、マルセロ被告や、同社の元サンパウロ州支社長のカルロス・アルマンド・パスコアル氏もアチバイアの件について供述しているという。
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