ブラジル連邦警察は19日、連邦貯蓄銀行(Caixa)が09年に行ったパンアメリカーノ(PA)銀行買収で不正の疑いがあるとして、コンクラベ作戦を発動したと20日付現地各紙が報じた。
Caixaは09年~10年に、著名なTV司会者でTV局オーナーのシルビオ・サントス氏が所有していたPA銀行の株式の36%を7億3900万レアルで購入したが、1年もたたない内にPA銀行で40億レアル規模の不正会計が発覚した。
ブラジリア連邦地裁のヴァリスネイ・オリヴェイラ判事は、47の家宅捜索令状と、法人、個人を合わせて37の銀行口座や財政情報の開示許可を出した。「これはブラジルの金融犯罪の中でも最も酷い事件の一つで、国庫に甚大な損害を与えた」と検察、警察は語っている。
同判事は、「Caixaと、同行にPA銀行株取得を許可した中銀は、PA銀行の財政状況が、当時既にひっ迫していた事を認識出来ていたはず」としているが、中銀やCaixaは常にそれを否定してきた。
コンクラベ作戦では、PA銀行の会計収支のバランスをとるためにオーナーのシルビオ・サントス氏に対して行われた、融資保障基金(FGC)からの融資も捜査する。
サントス氏は10年9月に当時のルーラ大統領と会っており、FGCからの融資の件を話し合った可能性がある。
サントス氏所有分のPA銀行の株式は、11年にCaixaの共同経営者となったBTCパクチュアル銀行が4億5千万レアルで買い取った。検察はこの時点でも不正が行われたと見ている。