2010、14年の大統領選でジウマ大統領(当時、労働者党・PT)の選挙参謀を務めたジョアン・サンターナ被告と、その妻のモニカ・モウラ被告が24日、選挙高等裁判所で、ジウマ氏と秘密口座への賄賂入金などについて話し合ったと証言した。25日付現地紙が報じている。
この証言は、選挙高裁で14年の大統領選におけるジウマ/テメルのシャッパの不正疑惑に関する裁判の報告官のエルマン・ベンジャミン判事が、今月はじめに報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)が認められて自宅軟禁となったサンターナ夫妻のいるバイア州サルバドールに出向き、同州の選挙裁判所で聞き取ったものだ。同判事は2人と共に、2人が経営していた会社職員のアンドレ・サンターナ氏の証言も集めた。
サンターナ夫妻は、オデブレヒト社からの収賄や資金洗浄などの容疑で起訴・断罪された。夫妻はこの日、ジウマ氏とは14年5月と同年末に選挙の裏献金に関して直接話し合ったと語った。
一方、贈賄者である同社元社長のマルセロ・オデブレヒト被告は、「サンターナ氏の口座に振り込んだ金の大半は不正なものであることをメキシコでジウマ氏に伝えた」と供述したが、ジウマ氏の直接の関与は否定していた。
サンターナ夫妻によると、オデブレヒト社が正規の献金として払った賄賂は7千万レアルで、その他にも3500万レアルを選挙戦の裏献金として受け取ったという。未申告の賄賂の内、1千~1200万レアルは受け取ったが、国外口座で受け取るはずの約2500万レアルは、ラヴァ・ジャット作戦が進み、受け取れなかったという。
国外の秘密口座を通じてジウマ氏の陣営に払われたと見られる賄賂は1千万~1500万レアル相当だが、モニカ氏は、大統領選後も払われていなかった金については、14年末にギド・マンテガ(当時)財相やジウマ氏の選挙キャンペーンの会計担当だったエジーニョ・シウヴァ氏と話し合い、請求したという。
夫妻は、ジウマ氏は大統領選に勝利した直後、「『国外の口座を使うのは安全な方法なのか』と尋ねた」とも語った。
この報道後、ジウマ氏の陣営は「そのような話し合いには一切応じていない」として、夫妻の供述は虚偽だとした。
また、サンターナ夫妻は、副候補だったテメル氏とは金に関する話は一切行っておらず、同氏と話したのは、テレビの選挙CMを撮影した際のみだったと語っている。裁判でシャッパの連帯責任が問われれば、テメル氏の大統領職剥奪も起こり得るだけに、テメル氏には有利な供述となった。