24日未明にパラグアイ東部のシウダ・デル・エステ市で起きた現金輸送会社プロセグール襲撃事件で、実行犯9人が逮捕されたと25日付ブラジル国内紙電子版が報じた。
同国では史上最大の4千万ドル強奪事件の襲撃犯は約50人と見られ、複数のグループに分かれて逃亡した。その一部は、24日昼頃までにイタイプ湖を渡ってブラジル国内に入ったと見られている。
ブラジルに逃亡した犯人の一部は警察との銃撃戦も起こしており、パラナ州西部イタイプ湖岸のイタイプランジアでは、容疑者3人が死亡。午後2時頃にはサンミゲル・ド・イグアスのバスターミナルで銃撃戦が起き、サンパウロ行きのバスに乗り込もうとしていた男が負傷し、逮捕された。
ブラジル連邦警察は25日午前、犯行グループはシウダ・デル・エステ市内のマンションなどをねぐらにして準備を重ねていた事や、同日午前11時までの逮捕者は9人である事、車7台、小船2隻、小銃5丁、機関銃1丁、爆発物、現金(ドルやグアラニ、レアル)、銃弾などを押収した事などを発表した。
25日付エスタード紙によると、襲撃犯はサンパウロ州に本拠を置く州都第一コマンド(PCC)で、作戦立案にはブラジル陸軍の元兵士が関与していた可能性があるという。PCC内にはその他にも、爆破に関する専門知識を持つ人間が2人はおり、会社外壁や金庫の破壊を手伝ったと見られている。
また、同日付G1サイトは、今回の事件には、50年超の刑を宣告されたが逃亡中のルシアノ・カストロ・デ・オリヴェイラことゼキーニャが関与していたと報道。実行犯はサンパウロ、リオデジャネイロ、パラナの3州の犯罪者と、パラグアイ側の支援者と見られているが、警察はゼキーニャ逮捕を優先課題の一つに挙げている。
なお、PCCがリオ州の関係者を訓練して銀行を襲わせており、先週だけで6件の銀行襲撃事件が起きた事は24日付エスタード紙が報道。世界的にも名が知れたPCCのボスで、現在は連邦刑務所に収監中のマルコ・ウイリアンス・エルバスことマルコラの救出作戦も画策中との情報も流れている。