ブラジリアの連邦議会前で25日、先住民の権利が後退していることを不満とする先住民たちが抗議行動を行い、警察と衝突する事態が発生したが、26日にエウシニオ・オリヴェイラ上院議長と会談することで納得し、事態が収まったと25日付アジェンシア・ブラジルサイトが報じた。
先住民族の権利に関する問題は、26日の上院人権委員会公聴会の議題にもなった。
主催者発表で、4千人(警察発表では2千人)の先住民族による抗議行動は平和裏に行われていたが、議事堂内に入ろうとした先住民たちを食い止めるため、警察が催涙ガス弾を発射したことで混乱が深まった。
今回の抗議行動は、ブラジル各地の先住民の代表者が毎年行っている「自由の土地キャンプ」の一環として行われた。
ブラジル先住民連合(APIB)幹部のソニア・グアジャジャラさんによると、先住民が長年不満に思っているのは、先住民族の土地を区分けする権利を法務省傘下の国立インジオ保護財団(Funai)から、議会に移した、2000年の憲法改正条項第2015号だ。
「我々が最も重視しているのは、先祖伝来の土地に居住する権利を奪うなということだ。Funaiも弱体化してしまっている。議会は我々の土地の鉱山を勝手に鉱物資源採掘会社に渡して、管理、課税の対象にしようともしている。だから我々は、先住民族の土地での鉱山資源採掘を認めた1996年の法令1610号にも反対しているんだ」と語った。
先住民の代表たちは、保健省の先住民保健特別局(Sesai)も弱体化していると不満の声をもらし、先住民の子供たちへの学校教育の改善も求めている。
ブラジリアのある連邦直轄区保安局は、先住民たちがデモを行う前に当局と結んだ決まりを守らず、入ってはいけない道路を占拠した上、「議会に侵入するぞ」と脅してきたため、催涙ガス弾を使わざるを得なかったと釈明した。