28日、連邦政府の労働法改正や社会保障制度改革に反対し、サンパウロでは大規模なゼネストが起こる事態が避けられない状況にある。この日は、電車やバスは全く動く様子がなく、多くの公共機関も休みに入るものと見られている。
ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事やジョアン・ドリア・サンパウロ市市長は、何とかしてゼネストを食いとめようと動いているが、それに対し、意外な人物から「スト賛成」の声があがり、現在、ネット上で話題を呼んでいる。
その声の主はパオラ・カロセージャさん。現在、ブラジルで大人気の料理リアリティ番組「マスターシェフ」で審査員をつとめている名物女性シェフだ。
カロセージャさんはブラジル人ではなく、ブエノス・アイレス出身のアルゼンチン人だ。彼女はパリやニューヨークで料理の修業をした後、2001年に知人に誘われてサンパウロ市に移住。そこで、ステーキハウス「フィゲイラ・ルバイヤット」を開店して成功させたのを皮切りに、「フリア・コシーナ」「アルトゥイート」「ラ・グアペ」と市内に4軒のレストランを経営する手腕が注目されている。
そんなカロセージャさんにとって、ストは客足を鈍らせる要因にもなりかねないが、彼女は26日、自身のツイッターで、スト法(Lei7783)第1条のコピーを張り、「これがあなたたちの国の権利」と発言し、ストに賛成する姿勢を示し、話題を呼んだ。
その後、カロセージャさん宛てに「でも、ストが起きたらあなたのレストランはどうなるの?」と質問する人が現れた。
カロセージャさんはそれに対しても、「(昼にも営業の)ラ・グアペは閉店にします。アルトゥイートは夜のみの営業だから、そのときの交通の状況次第で決めます。それ以上、お知りになりたいことは?」と返答。
さらに、「できたら閉店のままがいいです。従業員たちが店まで来られないということにもなるわけだから」と答えてもいる。
ストやデモが日常茶飯事の南米らしい態度というべきか。(26、27日付Veja誌サイトより)