ベネズエラのロドリゲス外相が26日、同日開催された米州機構(OAS、ポ語略字はOEA)外相会議直後、OAS離脱を宣言したと27日付ブラジル国内各紙が報じた。
同会議では、参加34カ国中、ブラジルを含む19カ国が、同国は民主主義条項に違反しており、参加資格を停止すべきとの提案に賛同した。OASは1948年にボゴタ憲章に調印し、1951年に発足したが、参加国の離脱は初めてだ。
ベネズエラの参加資格停止決議は、ニコラス・マドゥーロ大統領の独裁傾向が加速化し、反体制派による抗議行動とそれを押さえ込もうとする動きも激化している事を受けたものだ。
同国の反体制派の動きは、同国最高裁が3月に議会の立法権や議員の不逮捕特権を剥奪(立法権剥奪は3日後に撤回)した事で一段と激化した。
同国ではそれ以前も既に、反体制派の政治家投獄や、反体制派が主流の議会が決めた法案を最高裁がことごとく無効化するなど、OASや南米諸国連合(ウナスル)などが定めた民主主義条項に違反する行為が多数指摘されていた。
だが、独裁化や反体制派抑圧はウナスルが同国の参加資格一時停止を決めた後も止まらず、OASは4月3日、最高裁による議会の立法権剥奪は民主主義の精神を侵害する行為だと宣言した。
これ以降、同国では反体制派のデモやそれに対抗する体制派のデモが頻発し、デモや商店略奪の鎮圧と関連した死者は、29人に上っている。
ロドリゲス外相の離脱宣言は外相会議直後に発表され、マドゥーロ大統領も「OAS離脱は(米国を頭とする)帝国主義者達の国政干渉に対抗する大きな一歩」で「我が国は真の独立に向けて歩み続ける」と語った。
同国は27日にもOSA離脱手続きに入る意向だが、離脱には約2年を要する。また、OSAに対する負債870万ドルと負担金180万ドルの支払いも必要だ。
反体制派は「OSA離脱は、現在の動きが国民の信を問う事を恐れた現政権によるクーデターである新たな証拠」とし、批判の声を強めている。
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