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リオ有数のスラム街で騒乱が悪化=「政府の援助が必要」と州知事

リオ市のアレモン複合ファヴェーラ(Bruno Itan/ Fotos Públicas)

リオ市のアレモン複合ファヴェーラ(Bruno Itan/ Fotos Públicas)

 リオデジャネイロ市北部のスラム街、アレモン複合ファヴェーラ(以下「アレモン」)で、21日以降、銃撃戦が続き、既に5人の死者が出ていることを受け、フェルナンド・ペゾン・リオ州知事(民主運動党・PMDB)は「リオ州治安改善のために連邦政府の援助が必要だ」と語った。27日付現地ニュースサイトが報じている。
 21日夜からのアレモンでの騒乱は、軍警が同地区の警備監視のために防弾仕様の見張り塔を設置しようとしたことで始まった。
 26日朝のラジオのインタビューで、同知事は「警察の人員は4千人確保できている。だが、出動させるための資金が足りない」と語った。
 リオ州では今年既に、59人の警官が命を落としている。過去6日間でアレモンだけで5人の死者が出ている事を問われた同知事は、「誰もファヴェーラでの騒乱で命を落としてはならない」と治安関係者幹部に伝えたとした。
 同知事は続けて、「4カ月で50人以上の殉職者を出したことや、いつ撃たれるかわからないから防弾仕様の監視塔が必要とされることは尋常ではない。アレモンは常に治安維持の困難な地域だ」と語った。
 同知事はまた、リオ大都市圏の犯罪者がライフル銃で武装した姿はもはや日常茶飯事になっており、ジュングマン国防相やテメル大統領には、こうした武器が入ってこないために国境警備を強化するよう、2週間おきに要請しているとした。
 アレモンでは、銃撃戦の流れ弾にあたって13歳の少年が亡くなり、それに怒った住民の抗議行動を警察が鎮圧しようとして発生した銃撃戦の流れ弾で再び、16歳の青年が亡くなるなど、暴力の連鎖に歯止めがかからない状況が続いている。