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リオデジャネイロ市=犯罪組織同士の抗争激化=市北部でバス9台焼き討ち=治安維持部隊の派遣決まる

オスマル・セラーリオ法相(Fábio Rodrigues Pozzebom / Agência Brasil)

オスマル・セラーリオ法相(Fábio Rodrigues Pozzebom / Agência Brasil)

 リオデジャネイロ市北部のファヴェーラ、シダーデ・アウタで2日、犯罪組織同士の抗争が起き、バス9台とトラック2台の焼き討ちなどが起きたが、警察は45人を逮捕、大量の武器も押収したと3日付現地紙が報じた。
 幹線道のブラジル大通り沿いにあるファヴェーラでの抗争は、昨年10月にファヴェーラを追い出されたコマンド・ヴェルメーリョ(CV)と、支配権を保持しようとする第3純血コマンド(TCP)によるものだ。

 CVは2日未明、リオとサンゴンサロ、ドゥッケ・デ・カシアスの3市にある九つのファヴェーラから攻撃を仕掛けた。
 警察は3大隊と特別機動隊、警察犬部隊を動員して抗争回避を試みたが、犯罪組織同士の銃撃戦は熾烈で、ブラジル大通りやワシントン・ルイス高速道では、バス9台の焼き討ちが発生。ペーニャ地区のサンセバスチャン市場の近くで襲われたトラックは地域住民による積荷略奪にも遭った。バス放火や、地域住民が走行中の車を止めて略奪行為を行おうとした事は市内全域の交通にも影響し、深刻な渋滞を招いた。
 今回の抗争はCVとTCPによるもので、同ファヴェーラを一時支配していた別の犯罪組織アミーゴ・ドス・アミーゴス(ADA)とは無縁だという。ADAはサンパウロ州の州都第一コマンド(PCC)と手を結び、同市内で勢力を伸ばそうとしている最中だ。
 この抗争では、犯罪者2人が死亡、警官3人が負傷した。警察はバス襲撃犯ら45人を逮捕、小銃32丁と拳銃6丁、手榴弾10個を押収した。
 同州では年頭から犯罪組織同士の抗争が激化しており、フェルナンド・ペゾン知事は2日、テメル大統領に治安維持のための特別支援を要請。これを受け、オスマル・セラリオ法相は3日朝、治安維持部隊(フォルサ・ナシオナル・デ・セグランサ)と国道警察の追加派遣を決めた。国道警察は、麻薬や武器の搬送経路で、積荷泥棒も頻発しているヅットラ街道などを重点的に警備する。
 リオ州軍警は再度の抗争回避のため、3日未明からブラジル大通りやワシントン・ルイス高速道などの警備を強化、シダーデ・アウタへの道路を封鎖した。シダーデ・アウタなどの学校は3日も休校となり、2500人以上の生徒に影響が出た。
 バス焼き討ちの被害が最も大きかったトレル社は、ブラジル大通りを通るバスの路線変更などの措置も講じた。同市で今年焼き討ちに遭ったバスは52台、被害額は2290万レ超だ。昨年の被害は43台だった。