調査会社ニールセン社が発表したブラジル家計消費動向調査によると、16年は42%の世帯が、食品や衛生・清掃用品をこれまで購入していたものより廉価なブランドに変えた事が分かったと3日付現地紙が報じた。
ブラジルが不況に入った2年前は、20%の世帯が同じ購買傾向を示していた。その傾向が2年たってさらに深まった。
また、同じブランドの品目を買っているが購入頻度を下げた世帯は22%、外食やレジャー支出を抑えた世帯は7%、服飾費を抑えた世帯も5%あった。
こうした各世帯の〃やりくり〃により、14、15年の2年間は続いていた、「稼ぐ金額より多くを消費する」傾向が変化。16年の家計の平均消費額は、世帯月収の平均3118レアルと同値になった。平均収入が平均支出を上回らなかったのは、3年ぶりだ。
出費を抑えるためにより多くの犠牲を払っているのは中産階級以下の世帯だ。世帯収入4~10最賃のCクラス層の平均支出は平均収入より1・2%低く、世帯収入4最賃以下のD・Eクラス層の平均支出は平均収入より0・8%低い。
世帯収入10最賃以上の層は平均収入より0・9%多く出費している。
ニールセン社の小売り調査部門責任者、ダニエラ・トレド氏は、「不況により、消費者たちは購買活動の際に一層思慮深くなっている」と語る。
サンパウロ州スーパーマーケット協会(APAS)によると、今年第1四半期のスーパーの収益は1・5%減ったが、年間では1・5%増と試算している。
一方、全伯スーパーマーケット協会(ABRAS)は2日、16年全体のスーパーマーケットの売上が前年比1・5%だったと発表した。サンパウロ州に限った売上は1・1%上昇した。APAS経済・調査部門責任者のロドリゴ・マリアーノ氏は、「スーパーは不況の影響を受けたが、生活必需品を扱うという性質ゆえに、工業や建設などの他部門と比べて、その度合いは小さかった」としている。
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