今年第1四半期にサンパウロ市内で車に轢かれて死亡した歩行者の数が、昨年同期比で3割増えたことを受け、ジョアン・ドリア市政は2日、横断歩道の青信号の時間を長くすると発表した。3日付現地各紙が報じている。
3月にサンパウロ市内で車に轢かれて死亡した歩行者の数は、前年同月の28人から42人へと50%も増加している。
ドリア市長は、前ハダジ市長が引き下げた、市内を走る二つの幹線道路の制限速度を公約どおり引き上げたが、以降、市内全域での死亡事故が増加している。制限速度が引き上げられた幹線道路マルジナル・チエテでは、4月25日に26カ月ぶりに歩行者が車に轢かれて死亡する事故が起こった。
サンパウロ市は、横断歩道の青信号の時間延長は市内主要な交差点に限るとだけ発表しており、いくつの交差点で、いつから同措置が取られるのかは明かしていない。
「横断歩道を渡るための時間が短すぎる」との苦情は、これまでも数多く寄せられていた。セルジオ・アヴェレダ交通局長は「同措置はずっと続けられ、交通の安全性を高める」と語った。
ドリア市長は、横断歩道の青信号時間の延長を公式発表したイベント、「黄色い5月」に出席していたが、次の予定があるとして、終了前に席を立ち、報道陣からの質問には応じなかった。
同市長は4月30日、ジャパン・ハウス開所式に出席後、車で立ち去る際に、「幹線道路での事故で亡くなった人々への手向けの花をどうぞ」と花束を渡されたが、それを投げ捨てた事が盛んに報じられている。