樹海
《ブラジル》汚職撲滅に最高裁の壁?=ラヴァ・ジャット作戦の今後に大きな懸念
メンサロン事件の主犯で、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でも2度断罪されたジョゼ・ジルセウ元官房長官への人身保護令適用を、最高裁が2日に決めた▼メンサロン裁判の最中も賄賂を受け取り、刑務所を出れば犯罪を繰り返す可能性が高いとされて来た人物への同令適用は、今後のLJ捜査や裁判にも影響を与えそうだ。その一つは、司法取引(報奨付供述)に応じる姿勢を見せていたアントニオ・パロッシ被告が早速、同令適用を申請した事だ▼LJ捜査の特徴は、司法取引の多用と、関係者の供述が新たな告発、起訴に繋がっている事だ。拘留期間が長い被告が減刑を望んで応じる司法取引は、新たな捜査の糸口を見つけ、事実関係を確認する事を可能にする。だが、最高裁のジルマル・メンデス判事は「拘留期間が無闇に延び過ぎ」と批判。ジアス・トフォリ判事も「刑執行は2審で刑が確定後」の原則適用を主張したため、LJの被告への人身保護令適用が続いている▼今回の決定は、元会計のジョアン・ヴァカリ被告やパロッシ被告らが司法取引に応じる事を恐れる労働者党(PT)や、検察や裁判官の職権濫用を嫌うLJの疑惑議員には朗報だ。今後は司法取引に応じる被告が減る可能性もあり、10日に行われるはずのルーラ元大統領への尋問にも影響を与えるだろう▼検察が直前に新たな告発を行い、ジルセウ被告の釈放を阻もうとした際、メンデス判事が「子供だましの戯言」と切り捨てたのも気にかかる。ジョゼ・ブンライ被告への同令適用には納得した検察が、何としても阻もうとした人身保護令適用を最高裁が認めた。この事が、汚職撲滅への壁にならないことを切に望む。(み)