ブラジル地理統計院(IBGE)が3日、3月の工業生産は前月比で1・8%減ったが、昨年同月比では1・1%増となったと発表した。
前月比で1・8%減という数字は、前月比3・3%減を記録した16年8月に次ぐワースト記録だ。また、3月の実績としては、2002年の統計開始以来、最悪の記録となった。3月の実績で過去最悪だったのは15年の1・4%減で、06年も1・3%減だった。
1~3月の累積は、昨年同期比0・6%増で、14年以来初めて、前年の累積を上回った。今年1月の工業生産は前月比0・4%減だったが、2月は増減なしだった。
ただし、直近12カ月の累積では、まだ、3・8%減となっている。IBGEは、16年6月に9・7%減を記録したことがまだ足をひっぱっていると判断している。直近12カ月間で前月比での工業生産がマイナスとなったのは、昨年6月の9・7%、同8月の1・3%、今年1月の0・4%、3月の1・8%の4回だ。それ以外は、16年6月に1・8%、同9月に0・8%、同12月に2・4%、各々増えたが、後は、0・2%増が3度で、増減なしが2度だった。
雇用の回復が遅れ、実質所得も落ちているために、国内市場は今しばらく困難な状況が続く見込みだ。IBGEエコノミストのアンドレ・マセド氏は、消費の落ち込みで過剰在庫が生じ、生産調整が必要な企業もまだあると見ている。
全国工業連盟(CNI)によると、工業界の雇用は依然芳しくなく、就労時間数の回復も見られていないという。
3月に生産活動が落ちた部門は、24部門中15部門に及んだ。落ち込みが大きかったのは自動車関係の7・5%や、医薬品製造の23・8%、石油派生品やバイオ燃料部門の3・3%などだ。
耐久消費財の生産は、15年6月に記録した13・2%に次ぐ、8・5%減を記録し、2月に記録した8%増の効果が帳消しになった。
中間財の生産は2・5%減少し、4カ月間で3・4%増を記録した増産傾向にストップがかかった。2月には5・9%増を記録した資本財の生産も、3月は2・5%落ちた。非耐久消費財と半耐久消費財の生産は1・8%減り、2月との合計では3・2%減となった。
ただし、昨年3月との比較では、26部門中16部門が増産となった。16部門の中には、自動車関連の10・9%増や鉱業部門の7・0%増などが含まれている。
昨年同月比での耐久消費財生産は8・5%、資本財は4・5%、中間財は0・5%増えたが、非耐久消費財や半耐久消費財の生産は0・5%減少した。
前年同月比での耐久消費財の生産は5年連続で増えているが、2月に記録した20・1%には及ばなかった。耐久消費財の生産増は、自動車の13・2%と、ガスレンジなどの茶物と呼ばれる電化製品が牽引した。
資本財の生産も前年同月比では5年連続で増えている。この部門は農業資本財の36・2%増が牽引した。(3日付G1サイトより)