【既報関連】最高裁第2小法廷が立て続けにラヴァ・ジャット作戦(LJ)で有罪判決を受けた被告3人への人身保護令適用を決めた後、LJ報告官のエジソン・ファキン判事が、労働者党(PT)アントニオ・パロッシ被告からの人身保護令適用申請を再度却下した上、同件を最高裁大法廷にかける事を決めたと4日付伯字紙が報じた。
最高裁第2小法廷によるLJ被告への人身保護令適用は、4月25日のジョアン・クラウジオ・ジェヌ被告(進歩党元会計)とジョゼ・ブンライ被告(ルーラ元大統領の親友の牧畜企業家)、5月2日のジョゼ・ジルセウ被告(PT元党首、元官房長官)の3回だ。
4月28日には、第2小法廷所属のジウマル・メンデス判事が、1月にリオ州でのLJ関連のエフィシエンシア作戦で逮捕されたアイケ・バチスタ被告に人身保護令を適用しており、短期間中にLJ関係の被告4人が刑務所を出た事になる。
ジルセウ被告は3日、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事の命令で連邦警察に移され、GPS電子足輪装着後、クリチバ市内でPT関係者らとも会談。4日以降は妻と末娘が住むブラジリアに住むという。
既に断罪された被告への人身保護令適用は、報奨付供述への新規協力者を失わせ、LJの捜査や告発を困難にする可能性や、最高裁と検察庁、地裁や高裁といった司法関係諸機関の間の軋轢を生む可能性もある。
例えば、司法取引に応じるために新たな弁護士と契約したパロッシ被告は、ジルセウ被告の釈放後、契約を破棄した。
もちろん、第2審でも有罪となれば投獄されるから、その時点で司法取引という可能性もある。だが、昨年5月に断罪されたジウセウ被告の上告は同8月に高裁に届き、今年1月に報告官が罪状分析を開始、裁判日程は未定など、第2審までの期間は相当長く、捜査の迅速化は困難だ。
また、最高裁内でLJへの取り組み方や人身保護令適用に対する考え方にばらつきがある事も問題視されている。LJ報告官のファキン判事がパロッシ被告への人身保護令適用問題を大法廷にかける事を決めたのは、同令適用は不適当と考えていた被告に第2小法廷が適用を決める事例が続いた事や、第1小法廷の判事達から第2小法廷での人身保護令の適用のあり方にも疑問の声が出た事を受けたものだ。
政界では政治家や政党関係者への人身保護令適用を歓迎しているが、テメル大統領は司法諸機関の軋轢が増す事や検察庁が現職閣僚への捜査を加速する事、不逮捕特権をなくした政治家に対する裁判が加速・厳格化する事などを懸念している。
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