ブラジル連邦警察は4日の朝、リオ、サンパウロ、ミナス・ジェライスの3州で政界汚職捜査ラヴァジャット(LJ)作戦第40弾「窒息作戦」を決行したと同日付現地紙サイトが報じた。
同作戦は、石油公社ペトロブラス(PB)社の元幹部3人が、50億レアル規模の契約を交わした請負業者たちから、計1億レアル以上の賄賂を受け取った容疑で行われた。
5日間の期限付で逮捕されたのは、マルシオ・フェレイラ、マウリシオ・グエデスらの元PB社幹部で、予備逮捕されたのはマリヴァウド・エスカルフォーニ、パウロ・フェルナンデスら、贈収賄計画に絡んだ企業の関係者だ。4人には汚職、入札詐欺、脱税、資金洗浄の嫌疑がかけられている。
捜査対象となったのはリオ市、ニテロイ市、ベロ・オリゾンテ市、サンパウロ市などで、5通の強制出頭命令と、16通の家宅捜索令状も執行された。
PB社ガス・エネルギー部門元幹部3人は、PB社と契約した請負企業や、ダミー会社を使って賄賂を仲介した金融業者から、合わせて1億レアル以上の賄賂を受け取ったとされている。
捜査は容疑者たちの通信、銀行、税金機密の特別公開許可と、別のLJ作戦で逮捕されていたPB社元幹部たちが行った司法取引供述に基づいて行われた。
検察によると、元PB社幹部のエジソン・クルメナウエル被告が、同じ仕組みで1500万レアルの賄賂を受け取った事を認めた供述が決め手になったという。
賄賂の授受は、LJ作戦が開始された後も堂々と行われ、容疑者たちが既にPB社の役職を離れた後の16年6月まで続いていた。
PB社元幹部のマルシオ・フェレイラ容疑者は、租税回避地であるバハマの金融機関に隠していた4800万レアルの賄賂の違法性を隠匿するために、昨年実施されたレパトリアソン法(※、以下R法)を悪用していた。同容疑者は賄賂の金を不動産売却によるものと偽り、R法を利用して合法的な資産としていたという。
パラナ州地裁のセルジオ・モロ判事は、賄賂で不当に得た金銭を申告漏れの国外資産と偽り、R法で申告しても合法化されないとし、今回の作戦の容疑者と違法な金銭の動きに関わっていた企業の資産を凍結する命令を下した。
(※)レパトリアソン法:ブラジル国外にある未申告の資産を申告し、罰金と税金の支払いを受け入れることで、合法化する法律。昨年実施され、多くの歳入を国庫にもたらした。