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《ブラジル》ジャノー検察庁長官=エイケ被告への人身保護令無効を求める=被告はメンデス判事の妻の顧客で、同判事の中立性に疑念と語る=判断はカルメン最高裁長官の手に

ロドリゴ・ジャノー長官(Marcelo Camargo / Agência Brasil)

ロドリゴ・ジャノー長官(Marcelo Camargo / Agência Brasil)

 ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官は8日、ジウマール・メンデス連邦最高裁判事を、エイケ・バチスタ被告関連の司法手続きから外すことと、同判事が4月28日に認めた、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕されていたエイケ被告に対する人身保護令適用を無効化することを求めたと、9日付現地紙が報じた。

 ジャノー長官は、今回の要請の理由として、メンデス判事の妻、ギオマール・メンデス氏が、エイケ被告の弁護を行っているセルジオ・ベルムデス弁護士事務所の共同経営者であることを挙げている。
 ギオマール氏は、セルジオ・ベルムデス弁護士事務所のブラジリア支所責任者で、同弁護士事務所の利益分配権を持つ立場にあるとジャノー長官は強調している。
 ジャノー長官は、メンデス判事の証言と、ギオマール氏、セルジオ・ベルムデス弁護士への事情聴取も求めている。
 エイケ被告は、今年の1月30日にセルジオ・カブラル元リオ州知事への贈賄容疑で逮捕され、以来、リオ市北部バングーの刑務所で拘留状態にあったが、メンデス判事が人身保護令適用を認めたため、4月28日にリオ市の自宅に戻った。人身保護令適用時に命じられた5200万レアル(18億円相当)の保釈金額も話題になったが、「捜査で私有財産が凍結されている」との訴えが認められ、8日に支払期限が延長された。
 ジャノー長官は「エイケ被告の拘留には根拠があるのに、人身保護令を認めた事は公正さを欠いている」と語った。
 メンデス判事がエイケ被告への人身保護令適用を認める際に理由とした「被拘留者に対する不法な圧迫」は、既に一審で有罪判決が出ているルーラ元大統領の親友の牧畜企業家ジョゼ・ブンライ被告と、進歩党(PP)元会計係のジョアン・ジェヌ被告に対して、4月25日に同令適用を認めた時の理由にも挙げられていた。
 メンデス判事は今月2日にも最高裁第2小法廷で、労働者党(PT)政権の元官房長官ジョゼ・ジルセウ被告に対する人身保護令の適用に賛成票を投じている。この判決後、インターネット上では再び、同判事の弾劾を求める署名運動が発生している。
 ジャノー長官は、民事訴訟法の「判事が司法判断を下す対象者が、判事の伴侶やパートナー、直系、傍系を問わず、3親等以内の親族が関係する弁護士事務所の顧客である場合、判事の中立性には疑いの余地がある」との条文を、今回の要請の根拠とした。
 ジャノー長官が連邦最高裁判所の判事に対して同種の非難を行ったのは、これが初めてだ。同件をいつ最高裁大法廷で扱うかについての判断は、カルメン・ルシア最高裁長官の手に委ねられている。