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《ブラジル》ラヴァ・ジャットのルーラ元大統領尋問で厳戒態勢=三層住宅巡る疑惑裁判で=別件の審理も既に始まる

「全ての民とルーラのための正しいブラジル」キャンペーンでのルーラ元大統領(Filipe Araújo、10/11/2016)

「全ての民とルーラのための正しいブラジル」キャンペーンでのルーラ元大統領(Filipe Araújo、10/11/2016)

 【既報関連】サンパウロ州グアルジャー市の三層住宅がラヴァ・ジャット作戦(LJ)絡みの賄賂として寄贈されたか否かを巡る疑惑の裁判で、ルーラ元大統領が10日に本人尋問を受けるため、パラナ州連邦地裁周辺で厳戒態勢が敷かれていると、9日付現地紙が報じた。
 ルーラ氏への尋問は10日午後2時からの予定で、労働者党(PT)幹部らは9日にクリチバ市でルーラ氏支援のための特別会合を開く。10日朝にはジウマ前大統領もクリチバ市に赴く予定で、パラナ州警察に特別警護を依頼している。
 今回の尋問は、グアルジャー市の三層住宅購入とその改築費、ルーラ氏の私物を保管していた倉庫の賃借料支払い(計370万レ相当)が、ペトロブラス(PB)の事業契約を得た事の返礼としての建設大手OAS社からの賄賂だったとされる件の裁判の一部だ。パラナ地裁のセルジオ・モロ判事は8日、ルーラ氏弁護団が出した尋問風景録画要請を拒否している。
 ルーラ氏側は同件に関し、4月28日と5月2日に受け取ったPBからの資料は5・42ギガバイト(通常の書類で10万ページに相当)あり、10日までに内容を分析する事は不可能とし、ポルト・アレグレの連邦裁判所に尋問延期を申し立てたが、同裁が9日にこの申し立てを却下。尋問は予定通り行われる。
 他方、クリチバ市内の警備に関しては、8日の午後11時~10日の午後11時は、パラナ地裁から半径150メートルの範囲での野営を禁じ、人や車の通行も制限する暫定令が出ている。同区域の住民や商店関係者、その車などは事前登録すれば通行可能だが、当日は店を閉める予定の人も相当数いる。
 6日夜のモロ判事のビデオや、同判事が8日に「LJ支援者が外に出て捜査支援を訴えるより、一方のサポーターだけの試合の方が良い」と発言した事などを受け、LJ支援グループはクリチバ市での野営を取りやめる一方、最高裁前を含む全国各地での抗議行動への参加を呼びかけた。
 他方、ルーラ元大統領を支援するグループは野営を諦めておらず、同市内での混乱は避けられないとの見方も出ている。
 なお、モロ判事は8日から、ルーラ研究所の建設用地取得問題と、ルーラ氏の自宅の隣のアパートが、家賃の支払いもないままでルーラ氏の所有物の保管所として使われていた疑惑に関する裁判で被告達への本人尋問を開始。8日はトーヨーセタルやUTCなどの企業関係者、9日はルーラ氏の親友の牧畜企業家ジョゼ・ブンライ被告らが尋問を受けた。