ブラジル保健省の8日の発表によると、今年に入ってからのデング熱、ジカ熱、チクングニア熱の感染者数が昨年同期比で著しく減少した事が分かったと9日付現地紙が報じている。
減少が顕著なのはデング熱で、今年に入ってから4月15日までに発生した感染が疑われる件数は、昨年同期比88・9%減の11万3381件だった。
昨年同期には13万5030件が報告されたチクングニア熱の症例は4万3010件で、68%減少した。ジカ熱も、今年4月までに発生した感染の疑われる症例は7911件で、昨年同期比45%の減少だった。
保健省伝染病部門のジョアン・トレド部長は、現地紙に対し、今年はトカンチンス州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、ロライマ州でのチクングニア熱の感染拡大に最大の注意を払っているとした。この3州では同病の感染例が増えているが、現時点ではまだ、伝染病発生と定義される数値には達していない。
トカンチンス州の場合、感染が疑われる患者発生率は住民10万人当たり109・5人で、流行状態と指定される基準の3分の1だ。また、北大河州でも、10万人当たり189・8人だ。
デング熱は16年の数値と比較すると低いものの、国内全州で満遍なく発生している。しかし、流行状態と定義されるほどの発生率ではない。
同病の発生率が一番高い中西部(連邦直轄区、ゴイアス州、マット・グロッソ州、マット・グロッソ・ド・スル州)でも、デング熱が疑われる患者の発生率は、10万人当たり160人だ。
今年に入ってから確認されたデング熱による死者は17人で、昨年同期の506人と比べて、大幅に減った。
ジカ熱が疑われる患者の発生率が最も高いのは、トカンチンス州の10万人当たり49・6人だ。サンパウロ州は実数で344件、10万人当たりでは0・8人だ。昨年のサンパウロ州での数値は10万人当たり8・9人だった。
サンパウロ州保健局、疾病管理部責任者のマルコス・ボウロ氏は、昨年の流行で住民の予防意識が向上し、効果的に予防できるようになった事を症例減少の一因に挙げている。