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サンパウロ市クラコランジア=常用者と警官らの抗争発生=携帯電話盗難をきっかけに

 サンパウロ市ルス区のクラコランジアで10日、麻薬常用者や密売者と、市警備隊や軍警との間の抗争が起き、商店での破壊行為や略奪行為、バスの誘拐事件まで発生したと12日付伯字紙が報じた。
 抗争の発端は、昼前に歩行者2人の携帯電話を常用者が盗んだ事だ。被害者らは犯人を追いかけたが、犯人が人混みに紛れ込んだため、市警備隊に通報。これを受けた市警備隊が後を追い、常用者1人を捕えた。
 これに気づいた常用者達が逮捕を阻もうとして警備隊員らを取り囲んだため、警備隊エリート部隊に派遣要請が出たが、現場に急行した同部隊も投石などを受け、双方に負傷者が出た。
 軍警の機動隊が到着したのは正午頃で、常用者や密売者らはバリケードを築き、タイヤなどに火をつけて侵入を阻んだ。
 軍警がゴム弾や催涙ガス弾を使って鎮圧を試みたのに対し、常用者らは石や木材を投げて応戦。屋根の上から銃弾が打ち込まれたとの報告もあるようだ。
 クラコランジアやサンタイフェジェニアでは、軍警接近に気づいた常用者らが逃げる際、商店の扉や商品棚を壊し、商品を略奪する事件も発生し、警備隊の車両も破壊された。
 プリンセーザ・イザベルのバスターミナル近くを走行中のバスを襲った常用者らは、車体を石などで叩いて扉を開けさせると中に乗り込み、運転席まで占領。あらぬ方向に走り出したバスは電柱にぶつかって止まり、車掌が負傷したが、常用者らが立ち去ったため、乗客約20人とバスはそこで開放された。
 今回の抗争では常用者ら4人が警官への暴行や破戒行為などで逮捕された。内3人は釈放されたが、火炎瓶を所持していた男は11日も身柄を拘束されている。