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ジャパン・ハウス=明治大学が漫画200冊寄贈=小林副学長、教育効果を懇談

寄贈された本と共に、左からJHのカイシェッタPR局長、明治大学の小林正美副学長

寄贈された本と共に、左からJHのカイシェッタPR局長、明治大学の小林正美副学長

 明治大学の小林正美副学長、二宮正人学長特任補佐、六浦吾郎学長特任補佐、中林真理子商学部教授が今月5日、ジャパン・ハウス(JH)に表敬訪問し、漫画についての対談を行なった。同大学は特別に貴重な漫画200冊を寄贈しており、JH館内に展示されている。

 同大学は、当地に三つの協定校を持ち、毎年各大学を訪問している。昨年3月、ブラジル日本商工会議所の平田藤義事務局長の紹介で、初めてJHの平田アンジェラ館長と関係者が面談した。その後、平田館長が明治大学の漫画図書館(米沢嘉博記念図書館)を見学したことで、マンガ寄贈の合意に至った。

 今回の200冊は漫画図書館から厳選されたもので、『のらくろ上等兵』など戦前作品も収録されている。寄贈した漫画はJH地階の本棚に並べられていて、誰でも手に取ることができる。

 一行はJHのネリー・カイシェッタPR局長と懇談し、小林副学長は「自分が子どもの時は漫画は読んでいけないものだった。今は日本語や歴史についての教育的な価値が認められている。漫画を読んでもらい、もっと日本のことを知ってもらいたい」と話した。

 また米国ワシントンの国際金融機関で勤務する六浦吾郎学長特認補佐は「自分の友人にも多くの日本好きがいるが、彼らの多くが漫画で日本の文化を学んでいる」と話し、JHでの漫画展示に期待感を示した。

 今回の来伯の目的は、JH内での漫画寄贈についてのプレス発表、ブラジル商工会議所との人材育成などについての覚書署名、協定校訪問など。ブラジル日本文化福祉協会、サンパウロ州立総合大学、日伯文化連盟にも訪問し、これら団体・学校にも漫画の寄贈を予定している。

 

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 明治大学の漫画図書館には、蔵書が推定数十万冊あるという。「推定」というのは、日本全国から寄贈された漫画が段ボールのまま大量に保管されており、開封されていないからだ。今でも蔵書管理のために莫大な人件費や施設維持費がかかっているはずだが、新図書館建設の計画まであるという。副学長によると、歴史や文化についての漫画は子どもの学習に大きな効果が期待できる。建設には政府の協力も仰ぐそう。漫画は国のお墨付きということであれば、もはや「たかが漫画」とは言えなくなってきた。