ラヴァ・ジャット作戦(LJ)において、資金洗浄などの容疑で起訴され、実刑判決も受けたジョアン・サンターナ被告と妻のモニカ・モウラ被告が、報奨付供述で、ジウマ前大統領とルーラ元大統領(共に労働者党・PT)は、大統領選での経費や報酬の大半が、建設大手のオデブレヒト(O)社が正式な献金として払った金と、隠し口座に振り込んだ金で支払われた事を知っていたと語ったと、12日付現地各紙が報じた。
サンターナ被告らは、ルーラ氏の06年大統領選と、ジウマ氏の10、14年大統領選の時の選挙参謀で、PTの知事や議員の選挙にも関与していた。
二人の供述は11日、最高裁のLJ報告官、エジソン・ファキン判事によって公開された。
サンターナ被告は、PTからの支払いが遅れるとジウマ前大統領やルーラ元大統領に直接訴えており、解決するのも両氏だったと供述した。
サンターナ被告によると、06年の大統領選の最中に2回、PTが選挙費用を払わないから参謀をおりると言った事があるが、ルーラ被告はその後、PT幹部で財相だったアントニオ・パロッシ被告に命じ、O社に選挙費用を払わせたという。
サンターナ被告らは「金の動きは常に〃ボス〃(ルーラ)が最終判断を下した」と証言した。これはルーラ被告が10日の尋問中に語った「大統領に選出された02年以降、PTの会合には出ていない。党内に影響力を行使したこともない」と矛盾している。
サンターナ被告はモウラ被告を通じて、パロッシ被告はPTの裏帳簿についてほぼ全権を任されていたと知った事や、パロッシ被告から「安全を期すため、支払いはO社が国外口座を通じて行う。これはルーラの命令でもある」と言われた事を明かした。
モニカ被告は、06年にパロッシ被告と交渉し、正規の献金から1400万レアル、裏帳簿で1千万レアルを受け取る事で同意したが、パロッシ被告は度々「(金額は)ルーラと話さなくては」と言ったと供述した。
両被告は、LJの進捗状態についても当時の大統領だったジウマ氏から聞いており、逮捕直前には「捕まるわよ」と知らされてもいた。ジウマ氏は選挙費用が振り込まれていた国外口座の存在が発覚する事を恐れていたという。
サンターナ、モニカ両被告は司法取引で7400万レアルを失う。600万レアルは罰金で、凍結された国外口座の2160万ドル(6800万レアル)も没収される。二人はクリチバでの拘留期間分を差し引いた残りの刑期を自宅拘禁状態で過ごす。
供述公表後、ルーラ被告の弁護士は、2人の供述内容は一切知らないとし、ジウマ氏側も虚偽の証言だとした。ルーラ弁護団のクリスチアーノ・マルチンス弁護士は「報奨付供述には証拠能力がない」と語っている。