12日に世界各地で、コンピューターウイルスによる大規模なサイバー攻撃が発生し、少なくとも150カ国以上で、20万以上の利用者が影響を受けたと13~15日付現地各紙・サイトが報じた。
〃ワナクライ〃(I want to cry英語で「泣きたい」の意)と名づけられた、身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)に感染したパソコンは、全てのファイルがブロックされたり、暗号化されて開けなくなり、元に戻すために金銭の支払いを要求するメッセージが画面に現れたりする。
ブラジルでは12日午後、私企業や政府機関で同ウイルスの影響が現れた。外務省、労働省、社会開発農業省ではコンピューターの電源を切り、国立社会保険院(INSS)は、サイバー攻撃が明らかになった午後2時以降、受付その他の対応を停止した。
石油公社のペトロブラス社は、同攻撃への対策として社のシステムを一旦切り、再起動させた。サンパウロ州では、通信会社のVivo、サンパウロ州地裁、サンパウロ州労働地裁、サンパウロ州検察局なども影響を受けた。
企業や各公的機関は、取材に対し、予防措置として一旦システムを切るように職員に指示したと語った。しかしながら殆どは何も影響はなく、INSSとサンパウロ州地裁だけが地元紙に影響を受けたことを認めた。
社会保障省のコンピューターシステムの管理を担当するDataprev社は、INSSのデータはブロックされてはないとした。
なお、サイバー攻撃の被害は15州と連邦直轄区で確認されており、ロライマ州とエスピリトサント州の裁判所のサイトは15日も機能していない。