オズワルド・クルス研究所の研究者が、現在、ブラジルで流行している黄熱病のウイルスは世界でも例のない変異を遂げている事を発見したと15日付現地紙サイトや16日付現地紙が報じた。
研究者達が利用したのは、エスピリトサント州で黄熱病にかかって死亡したサルから採取したウイルスで、2008年からブラジルで存在が確認されている南米1E型が変異したものだという。研究者達は、リオ州で死亡したサルやエスピリトサント州で捕まえた蚊から採取したサンプルでも、同様の結果を得ているという。
今後は、他地域のサルや人から採取されたウイルスを集めての比較研究なども行われる。同研究所が発見した8種の変異は、基本となるタンパク質の組成には影響しておらず、予防接種の有効性は失われない。遺伝子の変異と現在のような流行を生じさせた感染力の強さとの関係などは、今後の研究での裏づけが必要だ。
保健省が発表した最新データによると、現在までに確認された黄熱病感染者は756人で、約3分の1の259人が死亡した。現在流行中の黄熱病は森林や農村で生息する蚊が媒介したもので、市街地型の黄熱病はまだ発生していないという。
なお、リオ州保健局は15日、マカエ市とシウヴァ・ジャルジン市で新たな死者各1人が確認され、州内の死者は5人になったと発表した。同州での黄熱病患者も12人から14人に増えた。
同州では既に92市、497万5425人分のワクチン配布が行われたが、それでもなお、感染者が出る可能性のある自治体が65市ある。これら65市中、55市は既に充分な量のワクチンを受け取っているという。