構想2年。インフラ整備やテクノロジー、農業部門など、ブラジル国内のプロジェクトに投資する、ブラジルと中国の共同ファンドが、6月1日よりようやく機能し始めると16日付現地紙が報じた。
これは、企画省国際局長のジョルジ・アルバシェ氏が明かしたものだ。発表当時は500億ドル規模だったが、200億ドルからスタートする。
このファンドは、今月30、31日にサンパウロ市で開かれ、テメル大統領や多くの国際企業のCEOも参加する、ブラジル・インヴェスティメント・フォーラムで公開される。同フォーラムでは、同ファンド出資候補である、30の事業計画も発表される。
マット・グロッソ州のシノップ市と、パラー州ミリトゥーバ市の港をつなぐ鉄道計画、「フェログラン」もその一つだ。中国側は、800億ドルの予算で、南米大陸を横断して大西洋と太平洋を結ぶ鉄道を建設する計画に執心しているが、ブラジル側は巨額のコストがかかることと実現性に疑問があることから、乗り気ではないとされている。
このファンドにはブラジルと中国双方から3人ずつの委員が参加し、共同の利益になるプロジェクトを選定すると共に、投資を約束した銀行への参加も呼びかける。「中国には15の投資ファンドがあるが、対等なパートナー関係をもつファンドはこれだけだ」とアルバシェ局長は語っている。
同ファンドには、連邦貯蓄銀行(Caixa)や社会経済開発銀行(BEDES)からの資金が投じられ、国庫からの資金拠出は行わない。ブラジル銀行も参画の意志を示しているという。