4月末、肘の痛みで医者に行き、重い物を持って炎症を起こしたのだと言われ、注射と投薬を受けた。だが、痛みが消えたと油断して買い物袋を持ったら、痛みが戻って元の木阿弥。「喉元過ぎて熱さを忘れた」故の失敗だ▼だが、ブラジルを見ると、人は簡単に「熱さを忘れる」ものだと思わされる。1992年に罷免されたコロル元大統領が現職上議である事も、ある意味で驚きだ。また、メンサロン事件発覚後の2006年大統領選でのルーラ氏再選、労働者党(PT)幹部のメンサロン関与が報じられた後の10年選挙でのジウマ氏(PT)当選、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でPTなどの連立与党の汚職関与が暴かれ始めても14年選挙でジウマ氏再選などは皆、首を傾げたくなる▼10年選挙前には民主社会党のジョゼ・セーラ候補や同党のカルドーゾ元大統領の個人情報を流す事件が起き、官房長官だったジウマ氏の片腕のエレニセ・ゲーラ氏が引責辞任した。そのジウマ氏が選挙出馬のために官房長官を辞した時の後任はゲーラ氏。彼女は汚職関与が告発され、同職を辞したが、ジウマ氏の就任式には姿を見せた。米国ではトランブ氏罷免への動きも出ているのに、メンサロンとLJ双方に関与し、捜査妨害で新たな告発も受けそうなルーラ氏は、今も大統領選出馬を口にし、それを支持する人が多いのも驚きだ▼現在の不景気や失業率の高さはLJや経済政策失敗故とされるのに、汚職政治家を支持し続ける国民や、捜査妨害や汚職で告発されても選挙出馬を狙う政治家。肘の痛みに悩む中、国民は同じ痛みを味わっても平気なのか、すぐ忘れる程度の痛みだったのかと考えるこの頃だ。(み)