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ブラジル市場=混乱から一夜、反発の動き=アマチュア投資家の性急な行動は禁物

 【既報関連】17日夜のテメル大統領による司法妨害疑惑発覚後、18日のブラジル株式市場、為替市場は大きく揺れた。
 サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、取引開始直後に10%以上下落し、8年半ぶりの取引一時停止となった。
 その後は若干持ち直すも、大幅な下げ傾向は変わらず、午後4時10分からのテメル大統領の声明後も1%下げ、結局、08年10月以来、8年半ぶりの下げ幅となるマイナス8・8%、6万1597ポイントで取引を終えた。上場企業の損失は時価総額で2190億レアルに上った。
 18日は為替市場も終日レアルが売られ、中銀がドル売りレアル買いに相当するスワップ取引により、44億ドル分の介入を行ったにもかかわらず、8・07%ドル高の1レアル=3・3868レアルで取引を終えた。この上げ幅は、1994年のレアル・プラン導入以降、3番目に大きい。
 パニックともいえる株売り、レアル売りから一夜明けた19日は、逆に反動の株高、レアル高傾向で相場は動いた。19日の午後4時現在、Ivobespaは前日比2・1%高の6万2891ポイント、ドル/レアルは前日比3・8%ドル安の1ドル=3・26レアルで推移している。
 一日で株価も為替相場も大きく乱高下する中、多くの専門家は、一般市民が株や為替に投資をしようと慌てて売り買いに走る事をいさめている。
 「株を持っている人は慌てて売らないこと、確かに大きく下がったが、市場は次第に落ち着きを取り戻すはず」と投資顧問会社イレブン・フィナンシャルのアデオダト・ヴォウピ・ネット主席戦略研究員は言う。
 手持ちのドルを売ってレアルに替えようとの動きも、今後の傾向が読めない中では、ただのギャンブルに過ぎなくなると、別の投資顧問会社の相談員は語る。
 国外旅行の計画があるが外貨を購入していない場合、ドル購入は良い選択肢かも知れないが、それでも、相場変動のリスクを避けるため、少しずつにしたほうが良い。