ブラジルの自動車製造業界では07年以降、景気後退による売上激減や消費者の趣向の変化が起きており、古豪3社のシェアも激減したと22日付現地紙が報じた。
競合するメーカー出現と大衆車の需要減少は、スポーツタイプの車を愛好する消費者が増えた事などとも相まって、業界再編を促した。
消費者の趣向の変化や景気後退の影響は、乗用車と商用軽量車に占める古豪のジェネラルモータース(GM)とフィアット、フォルクスワーゲン(VW)の3社のシェアが、70・2%から43・6%に減った事にも表れている。
16年に2位に甘んじるまでの11年間、売上トップを保っていたフィアットのシェアは25・9%から13・2%に、VWも23・0%から12・7%に落ちた。16年に売上1位となったGMは、21・3%から17・7%で、下げ幅が他社より小さかった。
反対にシェアを伸ばしているのは、現代やホンダ、トヨタといったアジア系メーカーで、現代の売上は0・8%から9・4%に飛躍的に伸びた。
07年は4位だったフォードの売上は10・5%から9・3%に減り、5位に後退した。
市場関係者は、新しい競争相手が現れると、市場占有率が高い会社ほどシェアを失うものだと説明しているが、アジア系のメーカーがコンパクトな車種を得意としている事などもシェアの変動を呼んだ理由だ。
現代は、同社は3交代制を維持しており、工場稼働率も既に上限に達しているとし、4位という現状以上に業績を伸ばすのは困難との見解を表明している。
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