サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市の連邦地裁判事が17日、大統領が任期中に外国高官から受け取ったプレゼントは国の財産と見なす判決を下した。
同地裁の判断は、ルーラ元大統領が任期中に他国の首脳や他国の政府要人から受け取った贈物は個人の所有物のはずだと訴えていた件に関して出されたものだ。
同件については、連邦会計検査院(TCU)が既に、大統領が他国の国家元首や他国政府の要人から受け取った贈物は、本当に個人向けと指定された物や短期間で消費される物以外は、国に所属するとの判断を下していたが、元大統領がそれを不服として、連邦地裁に訴えていた。
ルーラ大統領が他国首脳らからの贈物を私物として保管していた事は、ラヴァ・ジャット作戦の捜査でも明らかになっている。また、私物を保管していた倉庫の賃借料を建設大手の会社に払わせていた事や、故マリーザ夫人の名前で借りて私物を保管していた自宅の隣のアパートは家賃を払った形跡がなく、賄賂として寄贈されたものだったのではないかとの疑惑が持たれている事も周知の事実だ。
今回の地裁の判断により、ルーラ元大統領は、大統領府総務室の管理局から出ていた、21の物件返却要請にも応じる必要が生じた。
地裁判事は、もらってから既に5年以上経った物件なら私物としても良いはずだし、TCUは弁護の機会を与えなかったという元大統領側の訴えに対しても、ルーラ氏の任期終了は16年12月31日で、TCUの裁判は16年4月20日に始まり、16年8月31日に判決も出ているから、同氏の主張は根拠がないとし、同氏の訴えを全面的に棄却した。(19日付G1サイトより)