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ブラジリア=W杯スタジアム改修で汚職疑惑=水増し請求で工費が倍以上に

ブラジリアのW杯スタジアム、マネ・ガリンシャ(Rui Faquini/ME/Portal da Copa、26/04/2014)

ブラジリアのW杯スタジアム、マネ・ガリンシャ(Rui Faquini/ME/Portal da Copa、26/04/2014)

 連邦警察は23日、ブラジリアのW杯スタジアム改修における経費水増し請求疑惑で、連邦直轄区元知事らを対象とするパナテナイコ作戦を決行したと同日付現地紙・サイトが報じた。
 同作戦では逮捕令状10件、家宅捜索・押収令状15件、強制出頭令状3件が出され、ジョゼ・アルーダ元知事と後任のアギネロ・ケイロス元知事、タデウ・フィリペリ元副知事が逮捕された。また、3人の私有財産2600万レアルも凍結された。
 アルーダ氏とアギネッロ氏の財産凍結額は1千万レアルずつで、フィリペリ氏は600万レアルだった。フィリペリ氏はミシェル・テメル大統領の補佐官を務めていたが、同日昼前に解雇された。
 この事件は、建設大手のアンドレ・グチエレス社幹部が行った報奨付供述によって発覚し、オデブレヒト社幹部らの報奨付供述で確認された。アルーダ容疑者は知事在職時に行われた工事入札の際に、アンドレ・グチエレス社とヴィア・エンジェニャリア社に便宜を図り、その謝礼として賄賂を受け取った疑惑がもたれている。
 その後、正副知事に就任したケイロス容疑者とフィリペリ容疑者は、工事の進捗を妨げていた諸問題を解決し、連邦直轄区の公社Terracapも改修に参加させるなどの形で便宜を図り、見返りに賄賂を受け取っていたとされている。
 Terracap元総裁のマルスカ・リマ容疑者らも入札での不正に加担しており、フィリペリ容疑者らには資金洗浄の容疑もかけられている。
 連邦警察によると、同スタジアムの改修費用は当初見込みの6億9千万レアルから8億レアル以上も水増しされており、最終的な経費は15億レアル以上になったという。この金額は14年W杯で使われた12スタジアムの中で最大だ。一連の不正で、Terracapは13億レアルに上る損失を被ったとされている。