【既報関連】〃JBSショック〃発覚から6日間機能が停止していた議会は、23日の上院経済関連委員会で再開されたが、大荒れ後、延期されたと24、24日付現地紙・サイトが報じた。
経済委員会では、労働法改革案の報告官による意見書の読み上げが予定されていたが、野党側が提出した読み上げ延期を求める異議申し立てが否決された直後から、委員会は騒然となり、暴力沙汰寸前にまで至った。
タッソ・ジェレイサッチ委員長(民主社会党・PSDB)は、何度か委員会を中断せざるを得なくなったが、報告官は意見書は読まれたと宣言。来週は意見書の内容審議に移ることになった。
連立与党内には、いっそ、来月6日からの選挙高裁(TSE)で「14年選挙でのジウマ/テメル候補の正副大統領当選無効」判決が出ることを期待する向きもある。当選無効となれば、テメル大統領は疑惑のせいで辞任したのでなく、ジウマ前大統領の巻き添えで退任した格好になる。
JBS社主のジョエズレイ・バチスタ容疑者の報奨付供述で、テメル大統領(民主運動党・PMDB)には、クーニャ被告への口止め工作を知りながらそれを容認し、司法当局に知らせなかったこと、JBSの諸問題の解決役にロドリゴ・ロウレス下議(当時・現在停職中)を指名したこと、1500万レアルの裏金献金を要求したことなどの嫌疑がかけられているが、大統領は全て否認している。
テメル大統領は経済政策成立を急ぎ、批判ムードを少しでも緩和することを狙っている。だが、問題は、その筋書きを信じる者が誰もいないことだ。23日は、与野党の党利には影響しない、FGTS凍結口座引き出しに関する暫定令が下院で承認されたものの、上院経済委員会では労働法改正案の意見書の読み上げさえ出来なかった事実がそれを証明している。
直接選挙は世論調査で高い人気を誇るルーラ氏と労働者党(PT)を利するだけとし、連立与党の各党は、テメル大統領辞職後の間接選挙を想定して動いている。
連立与党内で次の大統領候補に名前が浮上しているのは、PMDBのネルソン・ジョビン氏と、PSDBのタッソ・ジェレイサッチ党首だ。
ジョビン氏は与野党にもつながりが深く、最高裁長官も務めたが、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦がアキレス腱だ。同氏はLJ作戦の捜査対象となっている、独立系金融機関BTGの共同経営者でもあるからだ。
ジェレイサッチ氏は、JBSショックで党首を辞任したアエシオ・ネーヴェス上議(現在は停職中)に指名され、PSDB党首代行に就任した。
メイレレス財相を推す声は、市場から支持されているが、議会との交渉に難ありとして、週明けから勢いを失っている。カルメン・ルシア最高裁長官も、間接選挙では議員の支持が集まらないというのが大勢の見方だ。