ブラジル連邦最高裁第1小法廷は23日、進歩党(PP)下議で元サンパウロ市長のパウロ・マルフ被告に対し、資金洗浄の罪で、下議職失効と7年9カ月10日の禁固刑の判決を下したと、24日付現地紙が報じた。
同被告は1998年から2006年にかけて、租税回避地である、英国海峡のジャージー島の金融機関の口座に1500万ドルを送金していた。
第1小法廷の判事たちの大半が、資金洗浄は時効にならないとする、エジソン・ファキン報告官の報告に従った。
最高裁は、資金洗浄を永続的な性質を持つ犯罪で時効にならないとした。この判決は、資金洗浄での告発例が多いラヴァ・ジャット作戦の裁判の判決にも影響をもたらしうる。
ファキン報告官以外に有罪の判断を下したのは、ルイス・ロベルト・バローゾ、ローザ・ウェベル、ルイス・フクスらの各判事だ。マルコ・アウレリオ・デ・メロ判事は当初、マルフ被告の罪は時効が成立しているとの見方を示していたが、その後、有罪に転じた。
判決に際し、バローゾ判事は、「本来なら、教育や医療にまわり、人の命さえ救うはずだった公金が、横領された。この種の犯罪を罰する事は、国の再建を意味する。誰も、見せしめのために罰せられてはならないが、今回は確たる証拠がある」と述べた。
しかし、最高裁の判決は被告の即刻逮捕を許さなかった。判決が電子版司法官報に載るのには60日間の期限があり、その後、被告弁護団は控訴する予定だ。
連邦検察庁(PGR)は、マルフ被告をさらなる公金横領で告発しており、サンパウロ市の受けた被害は、総額10億ドルに上るとしている。
マルフ被告は親類と共謀して投資ファンドの口座を使い、違法な金銭の出所と性質を隠し、偽った。裁判は2011年9月に、マルフ被告の家族を含む11人の被告を対象に始まった。全員が容疑を否認している。
マルフ被告の弁護士は「マルコ・アウレリオ・デ・メロ判事は、一旦時効と判断しながら有罪に投票した」とし、控訴する意志を示している。