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《ブラジル》パラー州=逮捕令状執行で銃撃戦?=農園侵入者10人が死亡

 パラー州南東部パウ・ダルコにある農園「サンタルシア」で24日、逮捕令状執行のために出向いた警官と、同農園に不法侵入した土地なし農民の間で銃撃戦が起き、農民10人が死亡したと25日付現地紙が報じた。
 同農園は15年以降、既に2度、不法侵入の被害を受けているが、2週間前起きた3度目の不法侵入では、警備員1人が殺され、動物を飼う囲いと本部に火が放たれた。
 警察側の公式発表や警官の供述によると、警官は殺人、放火罪で出た逮捕令状16件を手に農園に赴いたが、隠れていた農民達から銃火を浴びて反撃。農民達が林に逃げ込んだため、発砲しながら追撃したところ、隠れ家と男9人、女1人の死体を発見したという。
 遺体は一旦レデンソン市の病院に運ばれたが、25日にマラバー市の法医学研究所に移される。
 警察によると、同農園に不法侵入したのは、ロナウド・ペレラ(通称リコ)とアントニオ(通称トニョ)の二人が率いるグループで、死んだ10人の内、4人には逮捕令状が出ていたという。
 身元確認のために病院を訪れた土地なし農民達は行方不明者もいるというが、警官には負傷者は出ていない。
 カトリックの土地なし農民支援組織、土地司牧委員会(CPT)は、この事件は不法侵入者の強制退去で、警察による粛清が行われた可能性があるとして、調査員を現地に派遣した。CPTは強制退去は外部の警察が行うとの州条例にも違反していると指摘しており、市警も捜査を開始した。
 パラー州は農地を巡る争いでの死者が最も多い州で、ここ数週間でも少なくとも17人が犠牲となっている。2007~16年の犠牲者103人中、約3分の2は州南東部での死者だ。
 同州で最も大規模な土地なし農民殺害事件は21年前にエルドラード・ド・カラジャスで起き、19人が殺された。不法侵入者の強制退去は外部の警官が行うとの州条例は、カラジャスでの事件を受けて制定された。