日系議員もJBS汚職疑惑の渦中か――世界的大手食肉会社JBS社の社主バチスタ兄弟の司法取引証言のなかで、テメル大統領がラヴァ・ジャット作戦の捜査妨害に関与し不正献金を受給していた疑惑が17日にグロボ紙に暴露され、政財界に激震が走った。同社は14年選挙で1829人の立候補者に不正献金をしていた疑惑が上がった。そのリストには日系議員3氏の名前があり、ジョルナル・ニッパク紙の取材に対し、「所属政党からの資金だ」と釈明した。
不正献金を受取った候補のうち、下院議員に当選したのは19党167人。そこに西森ルイス下議(40万レアル、PR=共和党)、飯星ワルテル下議(25万レアル、PSD=民主社会党)、太田ケイコ下議(13万6千レアル、PSB=ブラジル社会党)が含まれている。
西森議員は「JBSの人間は誰も知らないし、直接受取った事実もない」ときっぱりと否定。「受取った選挙資金は党執行部からのもので、地方選挙裁判所に届出をしてある。14年までは個人もしくは法人からの献金は法令上認められていた」との認識を示した。
飯星議員や太田議員の2氏も「党からの資金で、JBS社からは直接受給していない」と説明。本件について、飯星議員の秘書は「広範かつしっかりした調査が行われることを支持する」と発表し、太田議員も「選挙資金の全ては届出されたもの。全てを明らかにする覚悟がある」と潔白を訴えた。
太田議員は「冷や水を頭からかけられたよう」と形容し、回復基調にあった経済への打撃を嘆いた。所属するPSBは、満場一致で大統領辞任を支持し、「政府の統治能力に危機感を覚えている。汚職を洗浄するためにも、真相を追究されるべき」と語った。
飯星議員は、「大統領の統治能力は危機に晒されている。政府が推す法案を可決させるには大困難が伴う」と政局を分析するが、所属政党の38下議は結束して政権運営に支持していくことを決定した。「国を機能させるのに重要な改革を支持していく」と語った。
西森議員は「社会福祉や労働法改正法案が前進し、テメル大統領の経済政策も奏功しつつあった」と評価した上で、「不正があったら洗浄されるべきだ」とした。「来月6日から始まる選挙高等裁判所でジウマ/テメル正副大統領シャッパの判決を静観したい。理想は大統領弾劾ではなく、無効判決による『名誉ある撤退』だ」として、「国のことを最優先し、最良の選択肢を考えなければならない」と語った。