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《ブラジル》連立の一角PSDB、6月の選挙高裁判決で離脱の是非を判断=暫定党首と党重鎮らが会談

PSDB暫定党首の、タッソ・ジェレイサッチ上議(Moreira Mariz/Agência Senado)

PSDB暫定党首の、タッソ・ジェレイサッチ上議(Moreira Mariz/Agência Senado)

 【既報関連】民主社会党(PSDB)暫定党首のタッソ・ジェレイサッチ上議は25日、サンパウロ市在住の同党の重鎮、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領(FHC)の私邸で3時間に及ぶ会合の後、PSDBが連立与党に残るかどうかの決断は、来月6日に開始される選挙高裁(TSE)の判断によるとしたと、26日付現地紙が報じた。

 FHC邸での会合には、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事、ジョアン・ドリアサンパウロ市長(共にPSDB)も参加した。
 「我々はTSEの始まる6月6日を重要な日付と見ている。その日に何が起こるか見てみようというのが方針だ」とジェレイサッチ暫定党首は語った。
 テメル大統領は政権延命を図っているが、連立与党の間には、6月に始まるTSEで、14年の大統領選のシャッパ、ジウマ/テメル組の当選無効判決が出れば、退陣は避けられないとする空気が漂っている。
 しかし、ジェレイサッチ氏は「テメル大統領辞任後の間接選挙では、いかなる動きもテメル大統領を無視して行うことはない」ともしている。
 PSDBは民主党(DEM)と共に連立与党内で政権を守る壁の役割を果たしており、政権離脱は、間接選挙で勝算のある候補を党内で絞れた場合のみの選択肢だ。
 ジェレイサッチ氏はロドリゴ・マイア下院議長やネルソン・ジョビン元最高裁判事と共に、間接選挙で選ばれる可能性が高い候補の1人だが、エスタード紙によると、PSDB党首として間接選挙出馬の可能性を問われた時、「私も他の人も出馬は考えていない」と答えたという。
 ジェレイサッチ氏は、FHC、アウキミン知事、ドリア市長の間に見解の相違が存在することは認めたが、それが何かは明らかにしなかった。「憲法から1ミリでも外れた事は出来ない。細心の注意を払い、落ち着いて行動する点では意見は一致している」とした。
 TSE周辺の空気も、5月17日の〃JBSショック〃の前と後で微妙に違っている。疑惑発覚前は、「シャッパを有罪にしてもテメル氏の政治生命は保ち、経済政策を進めさせるべし」だったのが、疑惑発覚後は、「シャッパを有罪にすることで、テメルに最低限の名誉ある辞任の道を作るべし」となっている。
 TSEでは、シャッパ案件報告官ともう一人の判事がテメル氏も有罪と投票する事が有力で、ジウマール・メンデス判事ともう一人がテメル氏は無罪、もしくは証拠再検討派といわれている。こうなると残り3人の判事の投票がシャッパの行方を決する。
 テメル大統領はTSEで有罪となっても、控訴して辞任を拒むことでさらに半年、時間を作る事が出来るが、そうなると来年はじめに間接選挙、10月に19年以降の任期となる大統領の直接選挙となってしまう。ブラジルのいたずらな混乱はテメル大統領も望んでおらず、辞任するのではとの声も出始めた。