【既報関連】パラー州パウ・ダルコ市のサンタルシア農園で24日に起きた、警官と土地なし農民の間での銃撃戦で農民10人が死亡したとされる事件で、警官が鑑識の到着を待たずに遺体を搬出していたことが分かったと26日付現地紙が報じた。
事件が起きたのは24日の午前5時頃だ。同農園は2週間前に土地なし農民に占拠され、警備員殺害なども起きたが、農民は司法の立ち退き命令に従おうとしなかった。
当日は市警と軍警計24人が逮捕令状、家宅捜索令状を実行するために農園に入ろうとしたが、発砲されたので反撃したというのが公式発表だ。警察側には1人の怪我人も出ていない。
25日に州検察や州警察と共に現場入りした連邦検察庁市民権利局(PFDC)のデボラ・ドゥプラト検事は、「これほどの事件が起きた現場は保存されなくてはいけなかった。これでは現場検証や現場の再現は不可能だ」と語った。同検事は約2時間、現場を歩いたが、血痕や銃痕など、警察官の証言を裏付けるようなものは何も見つからず、公式発表の内容に疑問を呈している。
25日付現地サイトでは、生き残りの農民達が「警官は銃を連射しながら入ってきた」と証言したとも報じており、ブラジル弁護士会が、関与した警官更迭も要請した。