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《ブラジル》北東部の水害に特別支援=大雨で川の増水や土砂崩れ

テメル大統領の訪問を受けた会合後の記者会見(左からロドリゴ・マイア下院議長、レナン・フィーリョ・アラゴアス州知事、テメル大統領、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長、ルイ・パルメイラ・マセイイオー市長(Alan Santos/PR)

テメル大統領の訪問を受けた会合後の記者会見(左からロドリゴ・マイア下院議長、レナン・フィーリョ・アラゴアス州知事、テメル大統領、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長、ルイ・パルメイラ・マセイイオー市長(Alan Santos/PR)

 ペルナンブコ州とアラゴアス州での大雨の被害を受け、テメル大統領が28日に現地を訪問、特別支援実施を決めたと29日付ニュースサイトが報じた。
 ペルナンブコ州では28日、川の増水や土砂崩れなどで、15市で非常事態が宣言された。28日夜、同州に着いたテメル大統領一行は具体的な支援策も協議した。
 その結果、水害防止のために2010年に発表済みの四つの防災ダム建設費として、社会経済開発銀行(BNDES)から6億レアルを融資するなど、治水関係の工事に関する資金開放が認められた。テメル大統領は、これらの融資が迅速に払い出されるよう、手配する事も約束した。
 同州では28日午後10~11時現在で、24時間の降水量が100ミリ超の市が27あり、リオ・フォルモーゾ市の323・14ミリはじめ、リベイロン、イポジュカ、シリニャエン、ガメレイラの5市の降水量は200ミリを超えた。
 同州では3人が死亡、2人が行方不明となっている他、少なくとも2市で停電が起き、幹線道路も寸断されている。避難所に退避した人や親戚、知人宅に身を寄せている人達は3万人近くいるという。
 同州政府は、非常事態宣言中の市への対策として、野営病院設営や、軍兵士や救命道具などの派遣などを要請した。各市には既に特別対策本部が設置され、消防隊員や防災局職員が増員された。また、避難所などへの人道支援も約束された。
 アラゴアス州では4市が非常事態を宣言。土砂崩れで4人が死亡し、行方不明者も出ている他、少なくとも1千家族以上が避難所に身を寄せいている。テメル大統領は28日夕方、マセイオー市で同州知事や同市市長らと会合を開き、人道支援を約束した。
 アラゴアス州訪問時は上下両院議長が帯同、ペルナンブコ州訪問時には9人の閣僚も合流した。
 なお、大雨の被害は南部のリオ・グランデ・ド・スル州でも出ており、27日には10メートル増水した川もあった。洪水や土砂崩れの危険などで自宅を離れる必要が生じた人も1千人程度出ている。