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コカインの一種、クラック汚染はサンパウロ州全体に=548市が「薬物の影響に悩む」と答える

 【既報関連】禁止薬物コカインの一種、クラックの常用者と、それを取引する密売人たちが集る〃クラコランジア〃。サンパウロ市では、ジョアン・ドリア市長や、ジェラウド・アウキミン、サンパウロ州知事が中心となり、21日に市内中心部にあるクラコランジアの掃討作戦を行ったが、常用者は町中に拡散してしまった。
 29日付現地紙は、サンパウロ州全645市中558市がクラック汚染に悩んでいると伝えた。これはブラジル全国自治体連合(CNM)作成の、薬物汚染状況を可視化した地図によって明らかになった。
 各市への聞き取り調査によると、危険度が高いのは193市で、259市が中程度、105市の危険度は低かった。
 危険は存在しないと答えたのは20市のみで、残りの67市は正式回答を行わなかった。
 5月に行った608市に対する調査では、市内でクラックが流通している市は92%、市内にクラック使用の問題があると答えた市も95%あった。クラックの影響が大きい部門には、保健部門(67・1%)、社会福祉部門(57・5%)、保安部門(49・1%)が挙がっている。
 今回の調査では、リベイロン・プレット、バウルー、マリリアなどのサンパウロ州内陸部の比較的大きな市が危険度の高い市のリストに入っている。地元紙が3年前に行った調査報道と比べ、状況は改善されていない。
 CNMの職員、エルネスト・ストランズ氏は、「クラックの危機を公表した事は、市民生活に大きな影響を及ぼす。事実の隠蔽を図ってもおかしくないのに、公にした事は、各自治体は『緊急事態だ』と助けを求めて叫んでいるに等しい」と語った。